褒めるときは「結果」ではなく『過程』を褒める!
平成28年2月16日
「テストで100点取ったの?すごいね!」子どもの成果や成長を目の当たりにすると、褒めたくもなりますし、褒めると子どもも喜びます。その関わり自体には何の問題も見当たりません。
ただ、その子どもが次回のテストで、100点を取れなかったとしたらどうでしょうか?もちろん、勉強を頑張っていなかったのであれば、当然の結果でしょう。しかし、実際は前回以上に頑張っていたかもしれません。褒められたことを心から喜んでいた子どもは、その結果に落ち込み、褒めてもらえないと思うかもしれません。
そこで、「テストで100点取ったの?すごいね!」の後に、こう添えてみたらどうでしょうか。
『一生懸命頑張ってたもんね!』
先月の原稿に、褒めるときは「結果」ではなく『過程』を褒める、と予告をしました。「100点」よりも『頑張っていたあなた』がすごいんだよというメッセージ。もちろん「結果」も大切ですが、そこだけにとらわれてしまうと、繊細な子どもの心は、大人が思っている以上に気にかけてしまうものです。ちょっとした声掛けの端々に、その「結果」をもたらした『過程』の価値を認め、褒めてみませんか。
『一生懸命頑張ってたもんね!』のメッセージが子どもに届けば、仮に次回100点を取れなかったとしても、その子ども自身が、頑張っていた自分を認めることができるはずです。それだけでなく、子どもに“あなたの姿をちゃんと見てるよ”というメッセージも同時に送ることもできるのです。
お気づきのように、このことは、決して勉強の話に限りません。
例えば子どもが自由気ままにお絵描きをしていたとして、その「作品」へのコメントもできますが、『楽しそうにニコニコ描いているね』と子どもの姿に寄り添い、『こっちまで楽しくなっちゃった!』と感情を共有することもできます。
例えば子どもがお手伝いをしてくれたとして、その「手伝った」こと自体ももちろん良いことですが、何を手伝ったにせよ、『お手伝いをしようと思い立った気持ち』が何より素敵なことだと思いませんか。
「結果」だけでなく『過程』にも目を向け、子どものありのままの姿や純粋な気持ちに快く寄り添いながら心のやり取りを重ねていくことが、“子どもの心を育む営み”ではないでしょうか。私はそう信じています。