1.「今、まさに・・・」

令和2年4月20日

 みなさま、初めまして!私は北九州市でスクールカウンセラーとして小・中・高・特別支援学校を訪問しています。この度、その経験から「子どもの心のピンチに向き合うために」というテーマをいただきました。

 今まさに「新型コロナウィルス」感染拡大により、日本中、世界中がピンチを迎えています。このように私たちは、思いがけず望まないピンチに遭遇することがあります。見通しのもてない先行きに不安になったり、他の人はどうしているのかと必要以上に他者の言動が気になったりします。そのような気持ちになってしまうのは、この特別な状況においてむしろ当然のことです。さらに現代は、SNSという非常に便利であると同時に、他者の言動や動向に触れやすくなる通信手段があり、時に混乱のきっかけとなる場合もあります。
 思春期の子どもたちは今、学校にも行けず、部活動もできず、外出も自粛要請される中、自分の湧き出すエネルギーにどうやって対処しているのでしょう?大変な経験をしていることと思います。

 しかし、こんな時こそ私たちは力を合わせて、子どもも大人もピンチをしのごうではありませんか!ピンチが過ぎ去るまで、しのげばよいのです。必ず過ぎ去るのですから。外出自粛は要請されても、一歩も外出が許されないわけではありません。「どんな外出ならできるだろうか?」「こんな時だからこそできることは?」というように「自分と周囲の大切な人の命や健康を守りつつ、今できることを探す力」は、まさにピンチをしのぐ力です。子どもを取り巻く私たち大人が「今できること」を工夫し、落ち着いて生活していることによって、子どもたちも「今はピンチだけど、この先きっと改善していくだろう」と希望を持つことができるでしょう。子どもの心のピンチに向き合うために、私たち大人一人一人の「ピンチに向き合う力」が試されているなあ・・・と思う今日この頃です。

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