4.イヤイヤ期の環境づくりとふれあい遊び
令和6年11月20日
第1回では「イヤイヤ期ってどんな時期?」、第2回では、子どもの「イヤイヤ」への基本的な対応について、第3回では「場面ごとの対応」についてお伝えしました。最終回の第4回では、「イヤイヤ期の環境づくりとふれあい遊び」についてご紹介します。
子どもが成長して2歳頃になると、運動機能が発達し自分でできることが増えるため、自分の意思で行動したいという気持ちが強くなります。自立への第1歩として喜ばしいことです。
しかし、日常の生活の中では子どもがやりたいことを制限しなければならない場面も多くなるため、「イヤイヤ」「イライラ」する状況が多くなってくるかと思います。今回は、「イヤイヤ」「イライラ」を軽減することが期待できる秘策についてお話ししていきます。
【環境づくり】
(生活環境)
子どもが自分でやろうとする気持ちを実現できる環境を整えることが大切です。まず、日常生活の環境整理から始めましょう。着替えやおもちゃなど身の回りのものが、部屋のどこに置いてあるのかを子どもが分かるように再整理し、子どもが生活しやすい環境を作ります。次に、毎日の時間割を整えます。食事、睡眠の時間帯をおおむね同じ時間になるようにして体内時計を整えてあげると、心も体もすっきりとします。朝の支度を同じ手順で進めることで、子どもには自分のルーティンが身についていきます。それから、お手伝い。家族の一員として自分の役割を持つことは大きな自信になります。一日のどこかに、ちょっとした役割を作ってあげましょう。
(遊びの環境)
自由に遊ぶ体験ができる環境や一人遊びを満喫できる時間は、子どもの成長のための大切な要素です。好きなおもちゃを自分で選び、自分で遊び方を考えるようになります。粘土やブロック、積み木など、工夫して遊べるおもちゃのある環境もおすすめです。また、いつもの公園、いつもの砂場など、自分のテリトリーで行動を制限されず自由に遊べる環境も大切です。他の子どもの遊びを見ることで刺激を受け、好奇心が満たされるからです。しかし、自宅の近くに子どもが自由に遊べる環境や安全な遊び場がない場合もあります。そんなときは、近くの保育園や幼稚園の園庭開放に通うのがおすすめです。そこには、いろいろな年齢の子どもが遊んでいますので、親子で多様な刺激を受けながら楽しく過ごせると思います。
(スキンシップ)
今日も、ついイライラして感情的に叱っちゃった!そんな一日の終わりには、子どもに選んでもらった絵本2、3冊を読み聞かせ、手足をヌクヌクもみもみスキンシップをすると、お互いの気持ちが伝わり合って、心地よく一日を終えることができます。
【親子ふれあい遊び】
ここではお家で簡単にできる親子ふれあい遊びを紹介します。子どもから求められた時、ママやパパに余裕がある時、ふれあい遊びのレパートリーに加えていただければと思います。使いやすい形にアレンジして遊んでください。
<親子ふれあい遊び>
●「どっちの手?」(当てっこゲーム)
<遊び方>
向かい合って座り、手の中に丸めて入れたティシュがどっちの手に入っているかを当てます。当たらなくても「ハズレー」とは言わず、子どもに指を開いてもらい、無いことを一緒に確認しながら「あれ、ないねー」と一声、反対の手から子どもがテッシュをみつけられるようにすると楽しく遊びが続きます。ルールがわかってきたら隠す役を交代しながらやってみましょう。「ハズレー」と言われると、やる気を失って遊びが続かないことが多いようです。
●「一本橋こちょこちょ」(こちょこちょ遊び)
<歌詞>
いっぽんばしこちょこちょ たたいてつねって かいだんのぼって(おりてきてきて、かいだんのぼって、おりてきて、かいだんのぼって・・・)こちょこちょこちょ
<遊び方>
① 向かい合って座り、歌詞に合わせて子どもの手のひらを人差し指でなぞったあと、くすぐる。手のひらを軽くたたき、手のひらを軽くつまむ。「かいだんのぼって・・・」と歌いながら、人差し指と中指で、腕をトコトコと掛け登る、降りて来るを繰り返す。タイミングをみて脇の下やおなかをくすぐります。
② 仰向けに寝かした状態で、歌詞に合わせて子どもの胸、おなか、腰と上から下へ撫でながら歌詞に合わせて遊ぶ、「かいだんのぼって・・・」で人差し指と中指で、足の先から頭の上までトコトコと掛け登る、降りて来るを繰り返す。タイミングをみて脇の下やおなかをくすぐります。
●「おやゆびねむれ」(就寝前に手指に触れながら)
<歌詞>
おやゆびねむれさしゆびも なかゆびべにゆびこゆびみな ねんねしなねんねしなねんねしな
<遊び方>
歌詞に合わせて子どもの指を一本一本折り曲げ、開いて、やさしく包み込むようにしてねむりに誘います。 お布団の中でしずかに歌ってあげましょう。
全4回にわたり「イヤイヤ期」についてお伝えしてきましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。 「イヤイヤ期」は親子共々大変な時期ですが、あまり難しく考え過ぎないで、できそうなことから試していただければと思います。子どもにとって何よりも大切なものはママやパパの笑顔です。私のささやかなアドバイスが「イヤイヤ期」を乗り越える一助になれば幸いです。