令和6年8月23日
自分でできないからと手を貸すと「ジブンデ!」と泣いて怒り出す、自分でできるのに「ママやって!」と言ってくる、自分でできるでしょうと言うと泣きわめく、今日もイライラ・感情的に叱ってしまった~。子どもが成長して2歳前後の時期に、どの親も直面する経験です。一般的に「イヤイヤ期」と呼ばれていますが、この時期の子どもの中では、何が起こっているのでしょうか。今回から4回シリーズで「イヤイヤ期」の子ども理解と向き合い方についてお話していきます。
「イヤイヤ期ってなんだろう?」「どう向き合えばいいの?」「いつまで続くの?」「どう対応したらいいの?」、そんな疑問だらけのママやパパへ、初回は、この時期の子どもがどんな成長過程をたどっているのかをお伝えします。
《イヤイヤ期と子どもの成長》
●「イヤイヤ」の発動
子どもが成長して2歳頃になると、運動機能が発達し、自分でできることが増え、自分の意思で行動したいという気持ちが強くなります。自立への第1歩としては喜ばしいことですが、この時期は、まだ自分の感情を上手くコントロールすることができません。そのため、思い通りにならない時やできない時、「イヤイヤ」が発動します。周りの大人が何とか落ち着かせようとして、あれこれと声をかけても、叫び声を上げたり、泣いたり、物を投げたり、癇癪を起こしてしまい、逆効果になる場合もあります。なぜなら自分でもどうしたいのかわからずモヤモヤして、気持ちに余裕のない状態のため、何を言われても受け入れられないからです。
言葉が発達し「なぜ嫌なのか」「自分はどうしたいのか」など、子どもが言葉を使って感情を伝えられるようになると、徐々にイヤイヤは落ち着いてきます。年齢に個人差はありますが、3歳頃が目安の時期と考えられます。
●「イヤイヤ期」の成長
イヤイヤ期は、感情コントロールの練習時期です。身近な大人にネガティブな感情を積極的に受け止めてもらいながら子どもは自分の感情を鎮め、気持ちを立て直す経験を重ねていきます。そして、感情をコントロールする力を身に付けていく過程で、大人や自分に対する信頼感を育み、自分の行動のすべてが受け入れられるわけでないということにも徐々に気づいていきます。「イヤイヤ」は、無意味に拒否や主張をしている訳ではありません。「イヤイヤ」言いながら(甘えながら)、健全な心身を育んでいるのです。
●周囲の大人の対応
そうはいっても、子どものエネルギッシュな「イヤイヤ」に対応する大人は大変です。「イヤイヤ」が発動したときは、焦らず子どもの気持ちに寄り添い、気持ちが鎮まるまで温かく見守ることが大切です。ただ、子どもの自己主張をどこまで受け入れていいのか、どのようにコミュニケーションを取ったらよいのかなど、現実問題として対応に迷うポイントは多々あります。
次回は、子どもの「イヤイヤ」への対応に困った時に試していただきたい、「基本的な対応」の具体例についてご紹介していきます。
第2回に続く