令和6年9月20日
第1回では、「イヤイヤ期ってどんな時期?」をテーマに、イヤイヤ期の子どもがどんな成長過程をたどっているのかについてお伝えしました。今回は、子どもの自己主張をどこまで受け入れたらよいのか、どのようにコミュニケーションを取ったらよいのかなど、「イヤイヤ」の対応に困った時に試していただきたい「基本的な対応」について具体例を交えて紹介していきます。
《基本的な対応》
[方法]子どもの気持ちを推測し、「言語化」して伝えます。
子どもは自分の気持ちを受け止めてもらうことで感情を鎮め、気持ちを立て直すことができます。要求が結果的には受け入れなかったとしても、受け止められると気持ちがある程度満たされます。受け止める方法は、子どもの気持ちを言語化して伝える対応です。子どもが「そうなの、わかってくれてありがとう」という気持ちになる言葉をさがし、伝えます。簡潔に、言葉を変えながら、繰り返し伝えます。
《言語化の例》「イヤだね」「まだ遊びたいね」「欲しいね」「痛いね」「悲しいね」「悔しいね」
[効果]子どもの気持ちを言語化して伝えることは、子どもが自分の気持ちを言葉で表現できるようになっていく助けにもなります。
[方法] 言葉をかけたら、子どもが気持ちを立て直すまでしばらく見守ります。子どもの表情をよくみて、気持ちが落ち着いたと感じたら「聞く耳」を持つ余裕が出たというサイン!
(ケース1) ⇒ 抱っこしてギュー!
《「聞く耳サイン」の例》うなずく、泣き声が小さくなる、ママの顔をみる(感情が落ち着く)
(ケース2) ⇒ 言葉を変えてみるor黙って見守る
[方法] 「聞く耳を持つサイン」が出たら、説明やメッセージを簡潔に伝えます。長々と子どもを諭しても効果は期待できません。なぜなら、子どもが集中できる時間は短く、興味が他に移るからです。
《伝える内容》 他者(ママやパパ、お友達)の気持ち、状況説明、社会ルールなど
[効果] 子どもは気持ちが落ち着いたら、ママやパパの話を聞く余裕が出てきます。
この対応により、子どもは他者の気持ちや状況を理解できるようになり、自分の行動のすべてが受け入れられる訳ではないということに気づいていきます。
●乳幼児期に「注意」を伝えるときの留意点●
乳幼児期の子どもは経験を通して善悪の判断ができるようになっていきます。しかし、身の危険がある時は、即座に「注意」を伝える必要があります。「注意」するときは、子どもの側に行き、向かい合って、「降ります」「さわらない」「叩かない」など、毅然とした態度で正しい行動を簡潔な言葉で伝えましょう。「ダメ!」「〇〇くん!」などと感情的に叱っても伝わりません。怒るのではなく「注意」をします。
次回は、「こんな時どうする?Q&A」と題し、「イヤイヤ」の場面での対応事例についてご紹介します。
第3回に続く