~生きる力 心身ともに逞しい子どもを目指して~第4回 戸外あそび編

平成22年2月10日

戸外遊び
 まだまだ寒い日が続きますが、園児達は寒さに負けず運動場を走り回って元気に遊んでいます。寒さを吹き飛ばす勢いで遊ぶ子ども達の姿を見ていると、逞しさを感じると同時に安堵感を覚えます。

 『遊びでからだを動かし運動することによって、子どものからだは豊かに発達します(身体能力)。また、遊びの中でルールを変えていくなど工夫する力をつけていきます(知性)。そしてさらに大勢の仲間たちと遊ぶことから協調性や思いやりなど人とかかわることの大切さをまなびます(社会性)。』 【引用:文部科学省発行「元気アップ親子セミナー」ブック】 この文は福岡県教育庁が行なっているセミナー資料の中にありますが、遊びが心身ともに子どもの成長を促していることを述べています。遊びや運動が丈夫な体だけではなく、同時に心も養っていることを忘れてはいけません。

 本園では、一日の幼稚園生活の中でも戸外あそび時間の確保を積極的に行っています。朝のお集まり前・お昼休み・お帰り前と、3回の戸外あそびの時間(雨天時は体育館)に加え、保育時間に余裕があれば出来るだけ戸外で遊びます。寒いこの時期の戸外あそびでは、ボール遊び(ドッチボール・サッカー・野球・キックベース)に並び、毎年なわとびがブームとなります。年長児にもなると、10分間の持久跳びや、交差跳び・あやとびといった技能跳びに加え、連続で二重跳びをする子や、長なわとびのダブルタッチ(2本同時に回す)を跳びこなす子も大勢います。体操教室でその時期に合った運動(季節に応じたシーズンスポーツ)を行うことで、一年を通して園児達の興味・関心と同時に、戸外あそびの内容も変わって行きます。神経系の発達が最も盛んな子ども達は、一つの動き(あそび・運動)で、一つの神経回路が出来上がると言っても過言ではありません。限られた遊びを繰り返し行うのではなく、多種多様に遊びの幅が広がれば広がる程成長を促すことになります。

 遊びの変容や時間・空間・仲間の三間の消失が、現代の子ども達の体力低下の大きな要因だと言われています。心身ともに逞しい子どもを目指す上で“戸外あそび”は必要不可欠です! 塾や習い事と早期教育も良いのですが、遊びが幼児期における“勉強”であることを頭の片隅において頂けたら幸いです。

 最後に、小学校の校庭や公園などで、戸外に出てまで“ポータブルゲーム機”や“カード”遊びに夢中の子どもを見かけることがありますが、そんな時はその子と日本の将来の為に「身体を動かして元気に遊びなさい!」と、ご意見番をかって出てみてはいかがでしょう!

    愛宕幼稚園  松延 純一

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