中村 孝史 先生

『子育てのイライラを3分の1にするちょっとした方法教えます④』

令和3年11月15日

 「怒り」は、どのように生まれてくるのでしょうか?
 「怒り」は、『マイナスな感情』や『マイナスな状態』が深く関わっています。
 『マイナスな感情』とは「不安」や「苦しみ」、「辛い」といった感情、『マイナスな状態』とは「不機嫌」、「ストレス」、「寝不足」、「空腹」といった心身の良くない状態です。
 この『マイナスな感情』や『マイナスな状態』が多いと、「怒り」は強くなります。
 ということは、心身を健康に保ちいい気分でいる、ストレスや不満のガスを溜めないということを心掛けることで、無駄にイライラしたり怒ったりすることは減るのです。

 『マイナスな感情』や『マイナスな状態』を減らすためには、やはり『プラスな感情』や『プラスな状態』で心を満たしてあげたらいいですよね。
 では心を満たすために、あなたは何をしますか?
 〇今すぐできること
 〇1週間以内にできること
 〇1か月以内にできること
 〇1年以内にできること
 ちょっと考えてみてください。
 私の場合は「海を見る」「バイクに乗る」「温泉に入る」「阿蘇の景色を見る」「沖縄に行く」など考えてみました。
 「好きな本を読む」「普段飲まない美味しい紅茶を入れて飲む」「ウインドウショッピングする」「お友達とランチに行く」「エステに行く」など、心を満たすことを10個ほど考えてみてください。
 そして、紙に書いて冷蔵庫に貼っておいてください。
 少しでもイラッとする気持ちが芽生えたら、心を満たすことをやってみてください。
 そうやって、日々心を満たすことを心掛けてみてください。
 心が満たされていると、少しイラッとしても「ま、いっか」と思えるようになります。
 心が満たされていると、イラッとすることが減ってきます。
 心が満たされていると、とても幸せな気持ちになります。

 4回に渡って「子育てのイライラを3分の1にするちょっとした方法」をお伝えしてきました。
 この間に、少しでもイライラが減ったという方がいらっしゃれば嬉しいです。
 また、これらのことは心理トレーニングです。
 読んだから、習ったからすぐに身に付くものではありません。
 筋肉トレーニングは、日々トレーニングを重ねて段々と筋肉が付いてきますよね。
 心理トレーニングも日々実践していくことで段々と身に付いてきます。
 少し時間はかかりますが、いつかは「あれ?最近とっても楽になった」と思う日がやってきます。
 これを読まれた皆さんに、そんな日がくることを楽しみにしています。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

『子育てのイライラを3分の1にするちょっとした方法教えます③』

令和3年10月18日

 今回は、『無駄にイライラしない魔法の言葉がけ』のお話です。

 お子さんに、このような言葉がけをされていませんか?
  ●「走らんと!」
  ●「違う違う、そっちじゃない!」
  ●「もう、○○せんと!って言いよろ~!!」

 ショッピングモールなどでよく耳にする言葉ですが、これって、実は伝わっていないのです。
 伝わっていないから、お子さんがまた同じことをしてしまい、イライラします。

 上の3つの言葉がけ、何が悪いと思いますか?
  ●「走らんと!」(じゃあ、どうしたらいいの??)
  ●「違う違う、そっちじゃない!」(じゃあ、どっち??)
  ●「もう、○○せんと!って言いよろ~!!」(何をしたらいいの??)

 そうです。「本当にやってほしいこと」「あなたの願い」が無いのです。
  ●「走らんと!」⇒『歩くよ!』『止まって!』
  ●「違う違う、そっちじゃない!」⇒『右に行くよ!』『まっすぐだよ!』
  ●「もう、○○せんと!って言いよろ~!!」⇒『〇〇をするよ!』

 素直にやってほしいことを伝えましょう。
 そこで大事なのは、「〇〇しない」という否定文ではなく、『〇〇するよ』『〇〇してね』という肯定文で伝えることです。

 もう一つ、お子さんに伝わらない言葉がけがあります。
  ●「ちゃんと」➡ちゃんと挨拶をする。
  ●「きちんと」➡おもちゃをきちんと片付ける。
  ●「らしく」➡子どもらしくする。

 これらはとても曖昧な言葉です。
 「程度言葉」と言います。

 「ちゃんと挨拶をする」を例に・・。
 お子さんに「ちゃんと挨拶しなさい」「なんでちゃんと挨拶できないの?」と言ったとき、もしかしたらお子さんはお子さんなりに「ちゃんと」挨拶をしているのかもしれません。
 どの程度が「ちゃんと」なのか、お互い食い違っているから「ちゃんと挨拶できていない」となってしまいます。
 どの程度かを明確に伝えましょう。
 「ちゃんと挨拶をする」⇒『(相手の)目を見て、こんにちはと言う』
 このように伝えたら「こんにちは」が言えたらOKですよね!
 曖昧な「程度言葉」ではなく、やってほしいことをストレートに伝えましょう!
 そして、簡潔に分かりやすくも重要です。
 伝わっているかな?と思ったら、自問自答してみてください。
 自分自身にOKが出れば、大丈夫ですね!

 いかがですか?
 今回は、ちょっと伝え方を変えるだけで、『無駄にイライラしない魔法の言葉がけ』についてお話をさせていただきました。

 次回、いよいよ最終回です。
 どうぞお楽しみに。

『子育てのイライラを3分の1にするちょっとした方法教えます②』

令和3年9月17日

 前回は、イラっとしたら6秒やり過ごすという方法をお伝えしました。
 今回は、ムダに怒らないためのテクニックをお伝えします。

●子どもに「おはよう」と言っても返事がなかった
 「返事もしないで、なんて子なの!」と思えば、当然ムカッときますね。
 「聞こえなかったのかな?」と思えば、特に気にすることはありません。
 「あら、体の具合が悪いのかな?」と思えば、心配な気持ちになります。

●ラインが既読にならない
 「何で無視??」と思えば、返事が来るまでずっとイライラしてしまいます。
 「今は忙しいのかな?」と思えば、特にイライラすることもありません。

 このように、実際起こっている出来事は変わらないけれど、あなた自身がどう『意味づけ』するかで怒りが生まれたり生まれなかったりします。
 その『意味づけ』は、ご自身で変えられるんです。

 いつもは怒っていることも、『意味づけ』を変えたら怒らなくても済む・・という選択ができるかも知れません。

 その『意味づけ』に大きく影響していることがあります。
 それは、ご自身の心の中にある「べき」です。
 こうある「べきだ」、またはこうある「べきではない」といった「願望」「理想」「価値観」などが影響しています。

 「子どもはこうあるべきだ」「夫(妻)はこうあるべきだ」「会社はこうあるべきだ」など、きっと心の中にあると思います。

 「あかちゃんは、夜は寝るべき」「もう3歳だからおもちゃは片付けるべき」など、そんな「べき」でついつい怒ってしまっていませんか?

 お子さまがあかちゃんの頃、泣きだしたらなんで泣いているのか??いろいろ試していたのを思い出してみてください。
 「おしっこかな?」「うんちかな?」「おなかが空いてるのかな?」「具合が悪いのかな?」など考えながら育てていたと思います。
 まあ、小さなイライラはあったとしても、それよりも「心配な気持ち」で接していたと思います。

 起こってしまった出来事に対する『意味づけ』を少し変換して、ムダにイライラしないように思考を変えてみませんか?
 これもトレーニング(練習)でできるようになります!

 次回は、「ちょっとした工夫でイライラが減る魔法の言葉がけ」についてお伝えします。
 どうぞお楽しみに!

『子育てのイライラを3分の1にするちょっとした方法教えます①』

令和3年8月19日

 ニコニコ子育て、していますか?
 「ほらぁ、早くしなさい!」「なんでこんなことやったの!」「もう!せんと!」
 そんなイライラな日々だと思います。
 その毎日のイライラが3分の1になったら、どうでしょう?
 『アンガーマネジメント』や『ペアレント・トレーニング』などで、そんなイライラを減らすヒントを4回にわたってお伝えします。

 今回は、怒りを上手にコントロールする「アンガーマネジメント」についてです。
私がアンガーマネジメントと出合ったのは5年前、地元公共施設で開催された「親子で学ぶアンガーマネジメント」というイベントでした。
 その頃の私は、「子どもに対するイライラで自分自身がダメになる」そういった状態でした。
「子どもに対する怒りを子どもにぶつけたらダメだ・・」と、自分の頭を床にぶつけワーワー泣き出したこともあります。
 また、家の壁を蹴って凹ませたことも。(壁は今でも凹んでいます。)
 子どもが近づくだけで手が出そうになって、「近づくな!」と怒鳴りつけたことも。
 そんな状態だったんです。
 そんな時に出会った「アンガーマネジメント」。
 本当に目から鱗、怒りと上手に付き合う方法を教えていただきました。
 それからは、「もっと学びたい」「そしてたくさんの方に伝えたい」と思い、ファシリテーターとなりました。

 さて、その目から鱗のお話です。
 最近は認知度が上がってきました「アンガーマネジメント」。
 その中でも、「6秒」というワードは知っているという方が増えてきました。
 その「6秒」ですが、意味はというと決して「6秒で怒りが消える」ということではありません。 
 所説ありますが「怒りが生まれて理性が介入するのに6秒ほどかかる」と考えられています。
 要するに、その怒りに対して少し冷静になっていくのが6秒なのです。

 その「6秒」の間にやってはいけないことがあります。
 それは「反射」すること。
 「反射」とは、イラっとしてすぐに「言い返す、仕返す」ことです。
 その「反射」をすれば、だいたい取り返しのつかないことになります。
 「売り言葉に買い言葉」は「反射」することによるものです。
 その先は仲たがいしたり、気まずくなったり、良いことはありません。

 その「6秒」をやり過ごすためにできることをいくつか紹介しますね。
 ☆深呼吸する
  ゆっくり吸ってゆっくり吐く、これを数回繰り返せばすぐに6秒過ぎてしまいます。
 ☆数を数える
  1から順番に数えてみたり、少し頭を使って100から3ずつ引いた数を数えてみたりします。
 ☆落ち着く言葉を唱える
  「大丈夫、大丈夫」とか、「平気、平気」とか、あなたが思う落ち着く言葉を唱えてみましょう。
 ☆その場から離れる
  一旦離れてみるのもありです。
 その際、相手がいる場合は「少し離れる」ことを伝えましょう(反感を買う恐れあり)。
 そのような方法で、「6秒」をやり過ごしてみてください。
 「怒り」から少し意識を逸らすことが大事です。

 いかがですか?
 どれか出来そうなことをやってみませんか?
 今まではすぐに怒っていたことが、少しは減るようになるかもしれません。

 次回も怒りに対するちょっとしたテクニックをお伝えしたいと思います。
 どうぞお楽しみに!