あー言えばこういう!-反抗期という名の思春期-

平成17年11月1日

はじめに
 「先生!」どうしたのと、カウンセリング室に遊びに来たAさんに、私が尋ねました。「だって、お母さん、わかってることばかり言うんだもん。」そう、わかっていることなんだけど言われると言い返したくなるんだね。「どうして言い返したくなるんだろう?。」
 こういう会話が、カウンセリング室では飛び交うことが少なくありません。時には、親と話すのはいやだという子もいます。
 保護者の方々と話すと、どう話して良いか分からない。扱いづらいとまで言う保護者もいます。大げさでも何でもありません。保護者も戸惑っています。

価値観への模索
 これらの現象は何を意味しているのでしょうか?思春期という時期は、子どもから大人になる時期です。第1回目でも言いましたが、人が自分のことをどう見るか?(自意識)が強くなるといいました。この延長上に、思春期の子どもたちは、自分の考え方、親や大人の考え方を一度否定して、その考えがいいのか?どうなのか?1回疑ったり、否定したりして、自分の考えや価値感を創ろうとします。これらの子どもの価値感など形成されていくのです。自分自身の価値観を創り上げるために、彼らは、大人、特に保護者が言うこと(これらの考えがが常識的であっても)を一旦否定したり、疑ったりしているのです。

どう付き合うか?
 私はこれらのことを理解していますし、カウンセラーとしては、隣のおっちゃん感覚で対応します。まず、子どもは何を言いたいのか?何をしたいのか?どんな考えを持っているのか?等ゆっくり聴きます。そうそうと言いながら、ゆっくり聴きます。そして、彼らが言ったことに頷きながら、<あなたの考えは分かるけど、僕はこう思うけど、どう思うと>私は自分の考えを提示しながら、彼らに考えてもらうようにしています。こうする事で彼らが考える力が育まれ、彼らなりの価値観が育っていくのです。

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