~心と体の健康管理~第3回 どうやったら伸びるの?

平成19年1月5日

《保健室の人気者No.1》
 なんと言っても保健室の人気者は,身長計です。休み時間の度に,養護教諭の私には目もくれず身長計にまっしぐら。特に男子は,集団でやって来ては大騒ぎです。「入室するときは,『失礼しま~す。』ぐらい言ってほしいなぁ。」と,怖い顔して嫌みを言うものの「1?伸びた!」「なんで!昨日より低い。」と互いに目盛りを見合っては,一喜一憂する姿は微笑ましいものです。
男女ともに気になるのは,身長。男子は友達より1?でも高く,女子は低すぎず高すぎずが希望のようです。

《どうやったら伸びるの?》
 ひとしきり測った後は,「牛乳1ℓ飲んだ。」「イリコがいいらしいよ。」「鉄棒にぶら下がるのが効くって。」と食事や運動療法の話で盛り上がります。時には質問攻めにあうことも。カルシウム・蛋白質も必要ですし,運動も必要です。「寝る子は育つ」も正しい事実です。大切なのは,食事・運動・睡眠をバランス良く取り,愛情に育まれて成長ホルモンの分泌を促すことです。過度のストレスや情緒の不安定さは,成長ホルモンの分泌を抑制します。身長にもビタミンI(愛)が不可欠なのです。
 我が子の悩みもどうも同じらしく,「朝,足を引張ってもらうと伸びるらしい。」と聞いてきた翌朝から,足を引張ってます。効き目は?ですが,朝のスキンシップは,ビタミンI(愛)と思って頑張ってます。

《ほんとに伸びますか?》
 時々,深刻な思いの相談を受けます。確かに,身長が思う様に伸びない原因をもつ子どももいます。治療を受けることで改善される場合もあります。低身長の原因を調べる検査は,保険診療で行われ,精密検査となると高額になります。大切なのは,受診時に今までの成長の記録を準備することです。この記録は,母子手帳と学校の健康診断票に記載されてます。養護教諭に相談されると良いでしょう。私も,幾度か相談を受け,実際に治療を開始した子どももいます。

 七五三の時,五歳の弟より背が低かったA君は,いつも一番前で,身長のことを大変気にしていました。中学卒業間近に保健室に相談に来たので,校医さんに相談し,紹介状と今までの記録を持たせました。卒業後,病院を受診し,「異常なし」と言われました。一年後,保健室に遊びに来たA君は,10?以上伸び,見違えるほど大人っぽくなっていました。「弟に追越された時から,もうだめだとずっと思ってたけど,『これから伸びます。大丈夫ですよ。』と言われて,今まで悩んでいたのがぶっ飛びました。そしたら,ニョキニョキ伸びちゃって・・・」と照れくさそうにA君は笑ってました。心と頭の上に乗っていた大きな重石が取れたんですね。

 次回は,保健室の人気者No.2のお話です。

 

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