~心と体の健康管理~第4回 思春期の体づくり

平成19年2月2日

《保健室の人気者No.2》
 身長計と並んで保健室の人気者は,体重計です。特に女子は,「見ちゃダメ!」と目盛りの所を手で隠しては大騒ぎです。「体重計は身長計とセット。そして、私に報告すること」と養護教諭の私が言うと「うそ~!」「なんで!」といいながらも、こっそりと教えてくれて、結構素直で、かわいいものです。
 男女ともに気になるのは,身長と体重のバランスです。

《それってほんとに太りすぎ?》
 身長と体重を聞いたら早速、電卓でピピッと計算です。「128。先生より痩せてるわよ。ダイエットの必要なし!」と保健指導の開始です。計算したのはローレル指数《ローレル指数=体重(kg)÷身長3(cm)×107》。160以上が太りすぎ100以下が痩せすぎの目安です。130が理想的で、115~145が標準の範囲です。保健室で体重を測る生徒のほとんどがこの範囲です。160を超える生徒は、人前では測定することはありません。(ほんとはこの生徒たちこそ、指導が必要なのですが・・・)
 標準の範囲内にあっても、「痩せたい想い」は、なかなか消せません。あれこれ説明しても納得しない場合は、秘密兵器の「体脂肪計付き体重計」が登場です。保健室の秘密兵器は、児童生徒用の特別なもの(家庭用の体脂肪計は、判定範囲が成人になってます)で、見た目もとても精密機械ふうです。これで測定して、やっと納得するようです。

《生活習慣病予備軍》
 しかし、見た目もローレル指数も標準でも、体脂肪率が高い生徒がたまにいます。話を聞くと食事のバランスや運動量など生活習慣に問題があることが多いようです。特に朝食抜きと間食の多さ、生活リズムの不規則さが課題です。このままだと将来が心配です。生活習慣病は、毎日の努力の積み重ねで改善できます。まずは、朝食をちゃんと食べることから始めます。

《ダイエットが必要?》
 標準の範囲内にあっても、もっと痩せたいと願う女子生徒。実際に痩せすぎの域にいてももっと軽くなりたいといいます。思春期のダイエットには、危険がいっぱいです。この時期に体が作られるので、不十分だと一生の健康を左右します。特に女性は、子どもを産むという大切な役割を担ってますので、思春期の体づくりが、出産後の本人と赤ちゃんの健康に大きく影響します。この時期のダイエットは、無月経を引き起こし、骨の成長を妨げます。そして、将来の妊娠・出産に影響し、骨粗鬆症の原因になるのです。生徒には、ダイエットではなくシェイプアップを勧めます。今の体重を維持しながら、メリハリのある調和の取れた体型が目標です。それには、バランスの取れた食事と適度な運動が必要です。
 と言う私自身も、お腹まわりの余分なお肉が気になる年頃。生徒と一緒に「早寝、早起き、朝ご飯」を合い言葉に今日からシェイプアップ!間食(甘食)控えめ、腹筋・柔軟体操を頑張ります。

 

 

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