~心と体の健康管理~第2回 何が不安なの?

平成18年12月1日

 予測できないこと,自分の力ではどうしようもないと感じることに不安を感じます。
 日頃、「○○学校に行きたい」「将来,こんな職業に就きたい。こんな人になりたい。」と目標をもって努力を重ねていても,ふと,今の自分で大丈夫?と思ったとたんに自信がなくなり,不安で何も手につかなくなったりします。また,ちょっとした友達の態度や言葉に,「はずされたのでは…。意地悪されたのでは…。」と思うと,不安で学校へ行くことが辛くなったりします。この時期,どの子もそんな不安を抱えています。

《不安な心と向き合うことの大切さ》
 不安は,辛口の心の栄養素です。中辛から激辛までその辛さは,様々で,その感じ様もそれぞれ違うようです。
 不安に正面から向き合い,乗り越えていくことは,心を大きく成長させ,自信へとつなげます。でも,とっても辛いときは,しばし目を背けて,エネルギーを貯めるもよし,遠回りして避けて通るもよし。それはそれで,子どもなりに別の力を蓄えることになるからです。
 例えば,何となく陰口を言われているようで不安なとき,「なんか気になるんでけど,やめてくれない。」と言う(人間関係をくずさずに自分の気持ちを伝える力)か,無視してほとぼりが冷めるまでほおっておく(不安に惑わされない力)か,その友達とは付き合わず,新しく友達をつくる努力をする(新しい人間関係を構築する力)かということです。どの力も,大切な力です。

《見守ってますか?》
 不安なとき,子どもは,表情が暗くなったり食欲がなくなったり,逆に,イライラしたり八つ当たりをしたりします。小学校までならば,訊けば,答えてくれたもののも,中高生は,親には話さなくなる時期です。では,親としては,どうしたらいいのでしょうか?I(アイ)メッセージを贈ることです。「私(I)はあなたのことを○○と思っているのよ」のように「私(I)は」から始まる気持ちをいつも子どもに伝えておくことです。I(アイ)メッセージは,愛メッセージ。親に見守られていること感じられれば,安心して不安な気持ちに向き合えるのです。安心して不安になれるというのはおかしなものですが,不安に耐えられなくなったら,逃げ込める場所をもっているということです。中高生くらいになると,大抵のことは自分で解決し,悩んだら友達に相談します。親に頼るのは,最後の切り札です。近頃,親を煙たがる我が子に,その切り札をもっていることを感じさせておくことは,親の務めかなと思うこのごろです。 

 

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