平成29年7月12日
思春期の子どもは、受験のプレッシャー、クラスメイトからのいじめ、両親の不仲などをきっかけに自信をなくしやすく、自分を責めたり、ひきこもりがちだったり、やる気もなかなか出にくいようです。子育てにおいては、「母性」が強すぎると依存的で自立できない人間が育ち、「父性」が強すぎると幼児性と攻撃性が出てくるといわれています。また、最近の子育てでは、「父性」が不足している傾向があるようです。「母性」「父性」が順番にバランス良く与えられることで、子どもはやる気が出て、ストレスに強くなり人間関係を上手くやっていけるようになります。
そこで今回は、思春期うつ病予防、対処のための親の関わり「父性と母性の役割」について書きます。主な養育者(母親)からの「無条件の愛情」が「母性」で、父親的な役割の人(父親)からの「父性」は、社会性を身に付けるために大切な関わりです。幼少期に包み込まれるような母性は、子どもに安心感を与え、小学生になる頃からは、「ダメなことはダメ」と叱る厳しさ「父性」が必要で、ルールを決め、それを守らせることで子どもは、ストレスに強くなります。また、してはいけないことをしてはいけないと叱ることで、子どもの情緒が安定し、人間関係も良好になります。大きな声で怒鳴る、叩くのではなく、冷静に何がいけないのかを諭すように「冷静に行動を叱る」ことが大切です。いつも大きな声で怒鳴られていると、子どもは人や社会が怖くなってしまいます。また、叱られたことのない子どもが、学校で先生から怒られる他の子どもを見ただけで学校に行けなくなったりします。子どもが生まれた時、無条件で可愛かったことを今一度思い出し、生まれつき攻撃性が強かったり、情緒が安定しなかったりする子どもはいないのだと信じて、愛情と叱ることの両方を大切にしましょう。