新連続講座~性のこと、メディアのこと、できる限り伝えていきたい~第3回 思春期の性について(3)

平成22年1月16日

 私は、毎年高校2年生を対象に性の話をします。
 性交渉、いわゆるセックスをすると、二つの事が起こります。一つは「妊娠」、もう一つは「性感染症」です。
 書いてしまえば当たり前のことですが、これだけの事が分かっていなくて、望まない妊娠をしてしまったり、性感染症をもらってしまったりする女性が、あとを絶ちません。男性は妊娠はしませんが、病気をもらったり、それを大切な彼女にうつしてしまったりします。

 結婚した男女が愛し合って、赤ちゃんができるのは当然のことで、赤ちゃんは本来待ち望まれて生まれてくるものですが、まだ産めない、という時期に妊娠してしまうと、女性は重大な決断を迫られます。産むのか、産まないのか。
 産むとなると、まだ学生であれば退学せざるを得ないことが多いでしょう。何の資格も得られずに、社会に出ていろんな体験をすることもできず、子育てせざるを得ません。母親になる事は素晴らしい事ですが、私たちは、母である前に女性であり、女性である前に人間です。人間として豊かになってから、母親になる、というのが順序ではないでしょうか。
 もし、産まない、となると、その女性は中絶手術を受けなければなりません。心も体も傷つきます。
 望まない妊娠をしてしまったら、女性は、産むのも大変、産まないのも大変なのです。

 ですから、セックスというのは、本来、ちゃんと結婚して、いつでも父親母親になれる準備ができてからするものです。しかし、まだ結婚はできない、しかし愛し合っていて、セックスをする事態に立ち至った、という場合は、絶対に避妊が必要です。避妊については、次回詳しくお話をします。
避妊しないでセックスしてしまった場合、女性は、次の生理が来るまで、妊娠しなかったかどうか分りません。それまでずーっと心配しなければならないのです。それが女性にとってどんなにひどいことか、男性はよく心に留めなければなりません。
 避妊しないセックスは、暴力なのです。

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