~生活体験を豊かに~第2回 失敗体験、まるごと体験の勧め

平成18年12月1日

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 前回、子どもにやったことのないことをやらせて、教えていないことを教えてやることを実行するのは簡単なことではないと書きました。なぜかと言いますと、子どもは一度や二度ぐらいの体験では何かができるようになったり、分かるようになったりはしないからです。何度も教えて、何回もさせてみて、初めて「できる」、「分かる」ようになるのが子どもです。繰り返し体験させることが必要なのです。その手間と時間をかけることが大切なのです。

 「できるまで待つ」「分かるまで繰り返し教える」こと、すなわち大人の忍耐が必要なのです。例えば、子どもにお茶碗でもお皿でも洗わせてみると、すぐ分かります。低学年の場合は、後で洗い直さなければいけない程度にしかできないレベルです。しかし、そこからしか始まらないのです。そして、時間をかけて、少しづつ力をつけていきます。それも、子どもはいつ力をつけるかといいますと、失敗する度に力をつけていくと考えておくことが大切です。大人が子どもの失敗を恐れて手を入れた、「段取り付きの体験活動」では、子どもに力をつけることは難しいのです。「準備」と「後かたづけ」を大人がやってしまうようなプログラムで、子どもに力はつきません。「まるごと体験」が必要なのです。

 子どもは、多くの失敗を体験しながら、その中から成功体験をつかみとって次第に自信をつけてゆくのです。料理研究家の坂本廣子先生は、著書「台所育児」の中で、「子どもが1歳になったら包丁を持たせましょう」と提案しておられます。わが子を相手に、提案通りの実践をしてこられた坂本先生は、「子どもは台所の前で自立する」と説いておられます。何歳から始めるかについては、子どもが何かをしたがった時が始め時だというのです。

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