3.非認知能力を育むために出来ること② ―失敗するってダメなこと?―

令和7年2月21日

 昨今、よく耳にするようになった「レジリエンス」という言葉をご存じでしょうか。

 レジリエンス(Resilience)とは、「逆境や困難、ストレスに耐えたとき、それを乗り越える、適応し、回復する力」のことを指し、日本では「柔軟性」と訳されることが多いです。多様な価値観が混在し、成果や評価が重視されがちな現代社会において、自分自身をマネジメントしたり、他者とのコミュニケーションを図ったりすることも簡単ではありません。また、著しい社会の変化に応じて対応していく力も求められています。そんな社会を柔軟に生きていくための非認知能力として、この「レジリエンス」は重要な力であると考えます。具体的には、困難な状況でも柔軟に考えることが出来る、失敗をしてもそこから立ち直ることができる、他者と協力しながらアイデアを出し合えるなど、レジリエンスが高い状態であれば、同じ困難な状態に陥ったとしてもダメージは少なくて済みます。

 このレジリエンスを育てるためには「失敗から学ぶ姿勢」を獲得することが、大切なポイントの一つです。失敗をした時こそチャンス!まずはチャレンジしたことをねぎらいながら、課題はどこにありそうか、次はどのように取り組んでみるのか、どんな人の力を借りる(協力する)ことが出来そうかなどを一緒に考えながら、多様な向き合い方や乗り越え方を習得すること、その経験そのものの積み重ねがレジリエンスを育てていくことに繋がります。

 失敗しないように大人が道筋を作りすぎるのではなく、見守り、もしも失敗したときは、責めたり感情的になって伝えたりするのではなく「I(私)メッセージ」で伝えながら、一緒に考えていくというプロセスを大切にすることもおススメします。

例)×「だから言ったでしょう!あなたが言うこと聞かないからこうなるのよ」
  〇「わたしは、チャレンジした〇〇のことを誇らしく思っているよ」

  ×「あなたが一人で出来るわけないでしょう」
  〇「わたしは、あなたと一緒に考えていきたいと思っているよ」

 I(私)メッセージで伝える。ぜひ意識してみてくださいね!

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