第3回 テレビを見せるなら考えて

平成18年6月28日

■テレビ・ビデオ・テレビゲームを見る長さの問題(量の問題)
子どもたちのメディア生活実態及び自己意識に関する調査 (2001)
「メディア接触が子どもの心身の発達に与える影響」に関する実態調査(2002)
子どものメディア接触と心身の発達に関わる調査・研究(2003)から

□テレビを1日2時間以上見ている子どもは…(保育者が園での様子をみての結果から) 
 ・寝付きも寝起きも悪い 
 ・積極的ではない 
 ・何もしないでぼーっとしている
 ・すぐ疲れたという 
 ・自信がなくて不安な様子の子どもが多い 
 ・イライラしている
 ・運動遊びが好きじゃない 
 ・折り合いがつけられない
 ・保育者の手伝いや人の世話をしたがらない 
 ・友達の数が少ない

  こういった子どもが増える傾向が見られます。これは、保育者が園での様子をみての結果ですので、お母さんやお父さんが我が子だけ見ていては気づけないことです。また、一応統計的には2時間のところで差がみられてくるのですが、この傾向は、1日1時間テレビを見ている子どもから現れてきます。

 さて、寝付きも寝起きも悪くなるのはなぜなのでしょうか?テレビは音と光の刺激が強烈ですから、本来睡眠へはいるための準備時間である夕方の時間に、強烈な刺激を受けることによって、眠りに入りにくくなることが考えられます。なかなか眠れないのですから、起きられないのも当然ですね。

  また、人と関係を持つ力にも影響が出ていることがわかりますね。最近では、子どもが少ないうえに、犯罪や事故など、子どもを取り巻く環境が悪くなっていることもあって、仕方なくテレビを見せているという声も聞かれます。でも、この時期は、多くの子どもやおとなとふれあうことによって、人とやりとりをする能力(コミュニケーション能力)がつくのですから、積極的に人と関わる体験が必要です。

  また、食事中にテレビを見ていることとも、これらの問題は関係してきます。おそらく、食事中というのは家族がそろっていろいろな話ができやすい場であるにもかかわらず、これが失われることが大きな問題となっているのではないかと考えられます。さらに、食事中もテレビをつけているということは、寝る時間、遊ぶ時間、食べる時間の区別といった、生活全体のメリハリのなさを表現しているのかもしれません。

 

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