子どもとメディアの「新しい関係」を考える 第1回「人とうまく関われない子どもたちが増えている?」

平成18年4月29日

最近、人とうまく関われない子どもたちが増えてきていると言われています。

具体的には…

   ●名前を呼んでも振り向かない
   ●視線が合わない
   ●いっときもじっとしていない
   ●表情がない
   ●言葉が遅い
   ●テレビを消すといやがる

 このような特徴があります。このような子どもに出会うと、少し知識のある人は、「あれ?自閉症なのかな?」と考えるかと思います。確かに、自閉症の子どもさんたちは、その乳幼児期を調べるとこのような特徴があると言われます。

 でも…

「メディア漬け」に関するチェック項目
   ●乳児期からテレビやビデオを積極的に見せていた(テレビに子守りをさせていた)。
   ●朝から晩までほとんどテレビをつけっぱなしの生活をしている。
   ●授乳中にテレビをつけていた・食事中にテレビをつけている。
   ●子どもが早期教育や子ども番組のビデオにはまっている。
   ●両親ともそろってテレビ好き。

 このような「メディア漬け」となっている場合は注意しないといけません。

 自閉症は脳の何らかの機能不全によって生じる発達障害であると考えられていますので、親の育て方に問題があるのではありません。愛情が足りないと自閉症になるというような意見は完全に誤りです。ですから、テレビを見せ続けたから自閉症になると言うことは考えられません。

 でも、自閉症に似たような特徴があるにもかかわらず、テレビ・ビデオの視聴を一切しないようにするだけで、数ヶ月で言葉が出るようになった子どもさんもいるのです。これは、乳児期からの「メディア漬け」がコミュニケーション能力を育てるじゃまをしたからではないかと考えられます。

 なぜ、このような問題が起こるのでしょうか?それは、この時期がコミュニケーション能力の基礎作りにおいてもっとも重要な時期だからです。

 

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