~食べる・育つ~ 第4回 何が育っているのだろう?

平成19年2月1日

 あっという間に1月が行き、逃げる2月がやってきました。
流れ行く月日に、子どもたちの成長も、目を見張るものがあります。
いつまでも、幼いと思っていた子が、案外しっかりしていたり、ちょっと頼りないかなと思っていた子が、小さい子のお世話をよくしてくれたり、落ち着きのない乱暴な子だと思っていたら、優しく粘り強く小さい子に教えたりと、思いがけない素敵な姿を見せてくれます。

 園には、3歳児~5歳児の縦割り20人位のグループが、6グループあり、毎日ひとグループずつ、事務室に来てはそれぞれがお手伝いに行きたいお部屋の、専用エプロンをつけて、0歳児~2歳児のお部屋にいそいそとお手伝いに行きます。
 「はい、○○ちゃん、おやつよ、あ~んして。」「この大根、お兄ちゃんたちが、育てたんよ。おいしかろ?」(野菜もおやつに出ます。)「いたかったね、よしよししようね。」「これは、こうするとよ、手伝っちゃあね。」と、お兄ちゃん、お姉ちゃんぶりを発揮しています。
 登園後9時から、午前のおやつが終わる10時までのほんの短い時間ですが、年上の子としての自信たっぷりな様子が垣間見られます。

 保育者よりも、小さい子の気持ちにぴったり寄り添っているように見えるのは、気のせいかしら・・・。
 「わたしも、こんなやったんやか?」「これは、ぶどう組さんが、灼熱魔王をやっつけてできた野菜やき、パワーがあるんばい。食べてみてん。」等々、小さい子のお世話をすることのなかから、確実に何かが育っているようです。

 余談ですが、お手伝いに行った子どもたちには、特別に小さい子と一緒に朝のおやつをもらえるという特典がついています。「内緒だからね。これは特別だから、秘密ね。」という保育士の言葉に、お手伝い活動を始めて3年になりますが、秘密を漏らす子が、ひとりもいないのにはビックリです。
 前回、「当たり前」の経験が少なくなっているのではないかという疑問を投げかけましたが、子どもにとって、「経験する事」が何につながっていくのでしょうか。

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