平成21年11月4日
はじめまして。私は幼稚園に勤める体育専任教師です。本園における取組みを紹介させて頂き、子育てのお役に立てれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。
さて、本園でも先月運動会を行いました。子ども達の生き生きとした笑顔がとても印象的な運動会で、子ども達にとって運動会がどれ程楽しかったか、またその経験で得た達成感まで伝わってきます。本園は創立以来「健康教育」をベースとする中で、運動会は年間行事の中で我々教師は基より子ども達も一番力が入る行事です。幼稚園教育の集大成とも言える運動会後、年長児には「いつでも一年生になれるね!」と話す程の成長ぶりです。子ども達は運動会を通し様々な面で成長しますが、とりわけ成長を感じるのが精神面です。
特に年長児は、組み立て体操(写真?)、プレイバルーン(写真?)に加え、一輪車・なわ跳び・トランポリン・マット・平均台・跳び箱・鉄棒 といった運動をサーキット形式で行う、3つのプログラムにチャレンジします。どれも子ども達にとって簡単なものではありませんが、練習への取組みには積極的な姿が見られます。
今、何不自由ない時代、そして過保護な環境で育っている子の多い中、我慢・辛抱といった体験とは縁遠い子ども達に、逞しく生きる力を身につけさせることの出来るのが運動会練習です。
例えば、組み立て体操を例に挙げれば、専門家の中には「幼稚園で組み体操など時代錯誤だ」との考えもありますが、下で土台となれば重たいし、痛いし、汚れます。逆に、上に上がれば恐怖心でいっぱいです。それでも土台は上の子が怖くないよう、重さや痛さに耐え歯をくしばり、上の子もまた、土台の子を気遣い丁寧な上り下りを行い、自分の足で汚れた体操服を叩いてやる姿に、子ども達一人一人に困難に打ち勝つ忍耐力、やり遂げる責任感、そして何より友達を思いやる心が、この組み立て体操の練習を通しても引き出され育っています。
人は、「体」も「頭」も「心」も、使った分だけ成長します。心(精神面)の成長こそが、生きる力の根幹ではないでしょうか。
愛宕幼稚園 松延 純一