才田 衣恵 先生

~育児は育自~第6回 いのち凄い!!

平成21年10月19日

 まず、思春期に第2次性徴をむかえ心身が大きく変化していくことは御存知ですね。
 性体験をむかえる人も出てきます。性交は次世代を育む為の大切な行為です。また親密度の高いコミュニケーションであり、性欲を満たします。性交に関わる大問題が「望まぬ妊娠」「性行為感染症」「性被害」。100%確実な避妊法はありません!妊娠×(バツ)、性行為感染症×(バツ)であれば『NO!SEX』しかないのです。
 中絶手術は母体の心身を傷つけます。だから避妊!避妊は色々な方法があり、効果も異なります。性行為感染症は不妊をひきおこしたり、あるウィルスは男性の泌尿器の癌・女性の子宮頸ガン(ワクチンあり)との関連を指摘されています。だからパートナーとも、お互いに大丈夫!!っていうのを確認するまで『NO!SEX』。予防はコンドーム!性被害は女性が被害者になることが多い!『緊急避妊法』があるってことを知って欲しいです。これは避妊に失敗したときもO.K。
 親子で知識として知って欲しいし、女性は産婦人科・男性は泌尿器科をアドバイザーとしても利用してほしいです。

 日々いのちの素晴らしさ、絶妙なタイミングで私たちは存在することを改めて思います。

 自分が10代のころは中年と言われる年齢になっている自分なんて、想像つきませんでした。当たり前ですよね~。狭い世界で生活していて、それがそのときの環境ですからね。
 今に至るまでもちろん色々な経験をしました。みんなそう!いきてることが学びになるのですが、中でもたくさんの方々との出逢いはわたしの大きな宝物です。
 そして助産師・看護師の仕事は「いのちの素晴らしさ」を感じさせてくれ、感動を与えてくれます。
 『感動』というと赤ちゃんが産まれることって思われるかもしれません。
 新たないのちの誕生は、もぉ~素晴らしい!!
 でも誕生だけでなく死を迎える方、闘病中であったり頑張っている方、悲嘆に暮れている方。 辛さや苦しみのなかに人の生命力と美しさを感じます。

 わたしたちの人間社会の仕組みは複雑で、また「ヒト」の感情も他のいきものにはない複雑さ(高度さ?)があります。
 『かわいさ余って憎さ百倍』なんて言葉がありますからね~
 食糧・エネルギーなど必要な物全て自分でまかなって、ヒト(他人)の世話にはならん!!ってヒトはいるでしょうか?(いるかもしれませんが…)
 そうはいっても自分が存在する為には、必要なんですよね。いのちをバトンタッチしてくれた男性・女性が。

 そう考えると私たちはヒト(他人)から切り離せない気がします。
 世界にひとつのわたしのいのち
 あなたのいのちも世界にひとつ
 いのち凄い!みんな凄い!いきてることが凄い!

 

 

~育児は育自~第5回 洗濯板ありますか?

平成21年9月3日

 今年の夏は例年になく変な気候でしたね。
 梅雨も長引き洗濯物が乾かなくて困ったお家も多いのでは?
 ところで皆さんのお家に洗濯板はありますか?保護者が7~8人集まったときに「家に洗濯板ある?」っていう話題に「ある!」って答えたのが2軒でした。この数を多いと見るか、少ないと見るか…?

 第2次性徴のお話をするときに、「自分の汚した下着は自分で下洗いをしましょう」と女子にいいます。月経が不意に始まることや、汚れてしまうことはありますからね。また月経が始まっていなくても、女性はおりものが分泌されます。恥ずかしいことじゃありません、体からの大切なサインです。だから幼いうちから下着を洗う習慣をつけると良いと思います。お風呂に入ったら、ついでに洗えば簡単です。ほかに小ものを洗ったりするのに便利なので、我が家では風呂場に洗濯板がおいてあります。女子だけでなく男子にも汚した下着は洗うようにいいます。

 みなさんはどうですか?
 親御さんから言われていた方もいらしゃると思いますが、そんな一つ一つが生活力につながってくると思います。

 洗濯機の使い方を知らない、ごはんの炊き方を知らない、家事をしたことないひとも珍しくありません。離乳食のお話をするのに、お粥の炊き方を知らないとか…。男性もある程度はできたほうが、いいとは思いますよ~。

 早い人は10代で親になる人もいます。
 生活力ってたくさんのことが含まれますが、家事力は日頃のお手伝いや生活そのものが反映すると思うんですよね~。

~育児は育自~第4回 愛・優しさ・思う心

平成21年8月5日

 福岡県助産師会では朝日新聞厚生事業団の‘子どもへの暴力防止プロジェクト助成’をうけて、「子ども虐待防止セミナー」を主催しています。
 これは看護職者むけのものですが、これにさきがけ第1回目は7月に筑豊地区で子育て中のママ達も対象の2部構成でおこないました。
 講師は橋本武夫先生(聖マリア学院大学教授)と松原まなみ先生(聖マリア学院大学教授)です。
 橋本先生は実際に虐待をうけた症例(子ども)の写真をパワーポイントで示しながらお話をすすめられました。実際の現場ではもっと悲惨な…目を覆いたくなるような事例とも出会うそうです。示されたのはそのなかのいくつかでしょうが、後味の悪い胸が息苦しくなるようなものでした。
 先生は子育て中のママたちを労いながら「ハグ(スキンシップ)」の大切さや、周囲のサポートの大切さをいわれていました。

 講演後のあるママは、

 先生から労いの言葉をかけてもらい心が軽くなった
 頑張っている自分を褒めてあげれる

と言われていました。
 あらためて子育ての大変さを感じつつ、求めてくる・これるママ達はある意味安心だけどそうじゃない・そうできないママ達は心配だなと思いました。

 「虐待の連鎖」もよく言われることですが、虐待にかぎらず子育ての方法など大人からの影響が大きいことを痛感します。昔から「育てたように、子は育つ」ということばがあるくらい、やはり影響は大きいのですよね…。

 参加されていたある中学校の養護の先生は、たびたび保健室に来る生徒をなだめあやすように手をつなぎ教室まで送るといわれ、そんな景色は珍しいことではないと言われていました。客観的にみても増えてる?減ってはいないような…とのことでした。
 単発で学校の授業にはいったときも、ちょっと突っ張っていて関心のない振りをする生徒にわざと質問したりモデルになってもらったりすると、案外その後、素敵な笑顔をみせてくれたり、話しかけてくれたりします。幼いときに浴びた暖かいシャワーが足りなかったのでしょうか…。

 18歳成人ということも議論されるなか、あらためて‘こころの成熟’など考えてしまいました。

 

 

~育児は育自~第3回 性教育は生教育

平成21年7月9日

 私はゲストティチャーで学校に行くことが あるんですが、夏休み前は依頼が重なることがあります。
 夏休みは長いし…先生方も心配されるようです。

 第二次性徴がはじまってくる小学校の高学年くらいから、たくさんの性ホルモンが分泌され異性に興味がでてきます。
 これは自然のなりゆきで健康な証拠ですね。
 生徒達には「知識として正しく知ること」、「個人差があること」を話します。
 小学校ではからだの仕組み(第二次性徴)や性差、食べることなど…(いろいろなこととも関連してきますので広範囲になりますが…)。
 『大切な自分のいのち』っていうのは多いテーマですね。

 中学生では体の成長の個人差(自分の体にコンプレックスを持ったり、皆さんも記憶にないですか?コンプレックスを持つのも成長している証拠ですね)、妊娠の成り立ち、避妊、マスターベーション、性被害、性感染症は多い内容です。(中学生は個人差が大きいので、考慮しますが…)

 え~っ!!こんなことを話してるの~って思われるかもしれませんが、
 異性への興味や好奇心の増す時期ゆえに、無知から後悔してほしくはないのです。
 知識として知るということは自分の身を守ること、未来の自分につながると思います。

 家庭の中で幼い時から、妊娠中の話をしたり、子の成長を喜んだりすることは、大切なことです。親にとって子の成長は嬉しいことだというアプローチは絆を深め、自己肯定感を高めます。難しくは考えないで下さいね、自然になされていることがほとんどです。思春期は反抗期でもあり、心身ともに変化・成長が大きく親も戸惑うことも多いでしょう。
 だからこそきちんと関わりたいと思います。

 

 

~育児は育自~第2回  食

平成21年6月10日

 私たちの『いのち』はとても尊いものです。
 イルカさんの「まあるいいのち」(住友生命のCMでおなじみですね)の歌詞にあるように。あたりまえと思われるでしょうが、この歌をきいたとき改めてそう思いました。
 いのちを維持するためには食べないといけません。食育の大切さをいわれますが、日本の食糧自給率は30%台といわれ、ほとんどが輸入に頼っています(いろいろなデータがあり、20%台というひともあり)。国産国産と表示されていますが、自給率を考えると???です。安全性も心配ですね。
 みなさんのお宅ではどうでしょう?我が家は全て食糧は買っており、家でまかなえるものは全くない!水もです(涙)。

 新型インフルエンザのニュースを耳にするたび、真剣に考えました。
 もしも…のことを考えたら不安になり、改めて食の事を考えるいい機会でした。

 思春期のころになると体格も良くなり、食欲も増してきます。
 やせたくて食事を抜いてみたり、食欲にまかせての暴飲暴食・肥満、また夜更かしなどによる生活リズムの乱れ・朝食ぬき、孤食などの問題もあり個人個人に応じた細やかな指導の必要性を感じます。体と心の健康に「食」はとても関係深く、関心を持ち続けることは日本の食を守る事へつながると思います。
 だからみんなに関心を持って欲しいのです。次世代へ「いのちのバトン」を渡す為にも…
 おうちでも関心をもってくださると嬉しいです。

~育児は育自~第1回 思春期って?

平成21年5月16日

 皆さんの思春期はどうでしたか?大人になると毎日「あっ!」という間に時間が過ぎ、「そんなときもあったかな?」なんて思っていませんか?

 思春期は小児期から成熟期への移行期であり、その期間を8~9歳ごろから17~18歳ごろまでとしています。
 第二次性徴により体は変化しますが、その時期には個人差があります。
 自分のからだと友達のからだをくらべて不安になったり、自信をなくしたり体に対して悩みをもつ子どもが多いころです。
 異性が気になったり、家庭・社会(集団)のなかの自分を意識してみたり…
 みなさんも思い当たりませんか?

 子ども達は‘背が低い’とか‘胸が小さい’とか言い出すとたくさん出てきます。
 大人からしてみれば、そんなことないのに…って思うことも多いのですけど…
 私にも覚えがあるので、これぞ思春期と思いながら話をきいています。必ず伝えるのは「あなたはこの世界に唯一の存在」。“自分を大切にして欲しい”と、いつも思います。

 『小顔』『小尻』がもてはやされ、必要以上の『やせ』願望をもち、煽っている社会状況については既に多くの問題点が指摘されています。
 思春期はおとなへの過渡期であり、社会的にはもちろん未熟です。だからこそ見守ってくれる、話をきいてくれる大人が必要です。
 子どもたちは大人を手本として育ち、していることをよく見ています。
 ちゃんと子ども達のお手本になってますか?皆さんは自分のことを大切にしていますか?
 他の人も大切にしていますか?