柴田 多惠子 先生

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第6回 笑顔で食育

平成22年4月5日

 今、私は公演(講演)で、県内外いろんな所に行っています。その中で、近頃気になることがあります。
 それは、全く笑顔のない大人の方達が多くなったことです。
 公演(講演)中おしゃべりしていらっしゃる方(昔からおられましたよね!!)や、子ども達は興味があったりおもしろければ、一生懸命目を丸くして見てくれたり、ニコニコッとして見てくれます。しかし、そんな中に無表情というか、なんの表情もない大人の方達が近頃目立ちます。お話ししてみると、子どもとどう向き合っていいのか分からない、抱きしめ方が分からない等・・・、何とか少しでも笑顔にしたいと頑張ってしまいます。

 「失敗したおかずでも笑って笑顔でみんなと食べるとおいしくなるよね」
 「園でも学校でもニコニコしてみんなで食べると一層おいしく感じるよね」
って子ども達に言うとうなずきます。

 保護者も先生も大人が笑顔になるには、現在、いろんな問題がある中で、難しいと感じる時があるかもしれません。でも心も体も健康であれば自然と笑顔もでてきます。健康であるためには、食べ物に気をつけ、旬の魚・野菜を食べるといいですよね。旬は甘くて、おいしくて栄養満点。そして運動。

 今回で私は最後です。今まで読んで下さった皆様ありがとうございました。
 今、書いている時に思い出しました。
『なでなででだっこ。言葉でだっこ。そして食でだっこ』
子育て頑張って下さい。

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第5回 食を通して出会った人達

平成22年3月2日

 私が生の野菜を使って人形劇を始めてから約20年、カルタ製作や料理教室等、もちろん人形劇を通していろんな方達に出会いました。子ども(幼児)から大人、行政、マスコミ、農業者、学校関係等、あらゆる分野の方達。一期一会の方達もいらっしゃれば、今だにおつきあいをしていただいている方達もいます。でも子ども達ってよく覚えてくれているんですね。先日、久しぶりにバスに乗ったんです。(私、車の免許を持っていないんです。七不思議と言われています。)一期一会の高校生の男の子達が「ベジタブルのおばちゃんやろ、人形劇頑張って!!」と励ましてくれました。

 これなんですよね。やっていて良かったー!!と思う瞬間は・・・。

 また、新聞、テレビも時々取材に来てくれるんですけど、その中で「家においでよ」という芸能人が家に泊まりにくる番組が10年程前にありました。その時、渡辺徹さんが家に来てくれて、一緒に野菜の人形作り、人形劇、タケノコ掘り等、おまけにもち歌である「約束」を歌ってくれました。それ以来、郁恵ちゃんはもちろん、家族ぐるみでおつきあいをしています。野菜やタケノコを送ったりしているうちに郁恵ちゃんが昨年なんと農業を始めたんです。最近の電話では、もっぱら野菜談義に花を咲かせています。

 そう言えば私自身人形劇を通して、知らず知らずのうちに、たくさんの野菜の名前を覚えていました。おかげさまで多くの野菜、旬を感じるようになり、旅館のほうにも役に立っています。

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第4回 たべものさんありがとう

平成22年2月10日

 私達人間の体は、いろんな命をいただいて体の中をきれいにし、成長しているのです。いろんな命とは、牛・豚・鳥・魚など・・・、もちろん野菜もそうです。だから、食事の前に感謝の意味を込めて「(命を)いただきます」と言うのです。私は難しい事は分かりませんが、今回は、野菜の命のありがたさや体の中への効果等を書いてみたいと思います。

 私の家は旅館をしています。小さくて古い旅館で、家族でしています。ある時、男性のお客様が2週間程泊まられました。夕食は肉・魚はもちろん、野菜たっぷりのメニューでした。野菜のおかずは、地元の野菜や旬の野菜を使った煮物・炒め物・酢の物・サラダ等、いろんな工夫をしてだしたものです。帰り際、その中のお一人がこう言われました。「大便って、毎日でるんですね。最初、おかずを見たとき、野菜が多いなと思いました。そしたら、2・3日たってから毎日お通じがあるんですよ。ちょっと、びっくりしました。」と言って、「体の中が掃除できた」と笑って帰られました。改めて、野菜ってすごいなぁと感じとった瞬間でした。

 ところで、皆さん、腸の長さをご存知ですか。なんと、身長の5倍近くもあるんです。私は、へそから下を『お腹の畑』と呼んでいます。私の腸は、8m。そんな長さがお腹の中にあるんです。それを掃除してくれるのが根菜類なんですよね。
この季節、がめ煮・雑煮・鍋物がおススメ。
皆さんも今夜いかがですか!!
『たべものさん、ありがとう』と感じながら・・・。

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第3回 楽しい食育

平成22年1月16日

 食育をむずかしく考えないで、思わないで、自分なりに、家族のために、自分のために、食のことを考えてみませんか。
 私は、生野菜人形劇の他に手遊び、布のトンネル作り、腸やうんちのタペストリー、カルタ、料理教室(私は食べる人)、いろんなグッズを持って講演し、それを見て、一緒になって、見ている人達も楽しく食を考えてくれています。
 ここで一つ食の手遊びをご紹介します。小さいお子さんは手を持って、また幼稚園・小学生は向かい合って、そして何よりも“笑顔”が今回のキーポイントです。

 軽く手をグーにします。そして、糸巻きのように手を胸の前で回します。

(♪) 納豆 納豆 ネーバ ネバ
 (手を回す ひじから後に引く)

(繰返す)納豆 納豆 ネーバ ネバ
 小粒 納豆 大粒 納豆

(親指と人差指で丸を作り 手をあげ頭の上で丸を作る)
 納~~~~~~豆

(手を30回程回す 両手をひらいて前へ突き出す)

 それこそ楽しんで、お子様と、して下さい。歌?曲は?
そうですね・・・。自分流に!!
まだまだ手遊びはあります。

 どうしても食育なんてしたくない、どうしたらいいのか分からない方は、“笑顔”で食事を、みんなでワイワイしながらの食事はいかがでしょうか。少々失敗したおかずでも一人で食べるよりみんなで食べたら・・・・おいしいですよ。毎日忙しい方達もたまには時間を調整していただき、時間におわれない時を過ごしてほしいです。(お父さん、出番ですよ)

 

 

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第2回 旬の野菜を食べるわけがある(地産地消)

平成21年12月8日

 私がなぜ生野菜の人形にこだわっているかと言うと、もちろん野菜嫌いをなくすことも一つあります。でも、旬の野菜を知ってほしいので、採り立ての野菜を人形にして、公演しています。

 皆さんは、四季折々に採れる野菜の名前を言えますか?そして、その旬の野菜には食べるわけがあることを知っていますか?
 カロリーや栄養素の事はちょっと横におかせて下さい。

 春の野菜は、畑にあまりありませんでした。だから、山の野菜(山菜)を採りに行くんです。山菜の苦味は冬たまった油分を出す役目があり、タケノコ・フキノトウ・ノビル・ヨモギ・タラノメ・ツクシ・ワラビ 他 まだまだありますね。これらも人形劇の重要な出演者です。
 夏の野菜 トマト・キューリ・ナスなどは、体を冷やす役目。ゴーヤ・ツルミドリ・モロヘイヤ・オクラなどの粘々は、夏バテを防ぐ役目があります。
 秋の野菜 ムカゴ・ヤマイモ・サツマイモなどは、冬への体力作り。
 冬の野菜 里芋は体を温める役目。白菜・大根・ネギなどは風邪予防。

 スーパーに行けば一年中同じ野菜があるのでどれが旬なのか分からなくなりますよね。私も若い頃はよく分かりませんでした。でも、生野菜人形劇を始め、自分で野菜を10年間作って、やっと旬が分かりました。旬の野菜は、安心、安全、甘くて美味しくて栄養満天。その時、たくさん採れること。そして、一つ一つの野菜に上記のような役目があるので、皆さんに人形劇をとおして伝え、食してくれることを願っています。

~できることから始めてみませんか、食育を~ 第1回 なぜ今、食育?

平成21年11月4日

 皆さん、こんにちは。柴田です。今月から6回にわたって私の食への思いや勉強した事を書かせていただきます。私は、口は上手だけど文章が下手なのでうまく皆さんに伝えられるか心配ですが、そこは私のモットーである何事にも挑戦(前向きに)、臨機応変(考えた通りいかない時もある)、一生懸命(手を抜かない)書かせていただきますので、よろしくお願い致します。

 さて、第一回目のテーマは、「なぜ今、食育?」です。皆さん、なぜだと思いますか?
 私自身いろんな所で勉強し講演を聞き体験を通して、まだまだ勉強中ですが、私が講演をさせていただく時の第一声もズバリ今回のテーマである「なぜ今食育だと思いますか?」と皆さんに問いかけます。いろんな声が聞こえます。それをまとめると、「日本人の心と体がおかしくなったから・・・。それに天気までおかしくなったよね」と言うと、小さい子どももうなずきます。そこで、食を通していろんなことを考えましょう。

・朝からダラーとしてあくびばかりしている大人、子ども・・・、なぜかな!?
・イライラしてキレている大人、子ども・・・、どうしてかな!?
・体の中のこと(低体温、アトピー、便秘、体の調節が出来ない 他)
・ゴミのこと
・農業のこと
・環境のこと

 その他いろんなことが食に通じています。だから、今、食育が必要なのです。
 そこで、私は笑顔で楽しみながら食を考えてもらうため、いろんなグッズ(カルタ、生野菜人形劇、タペストリー、手遊び、絵本等)を使って、子ども(幼児)から大人まで、一緒に食について考えてもらおうと思っています。