小栗 紀代子 先生

~校長室から~第6回 学校での学習は・・・

平成19年10月7日

 十月に入りましたが、暑い毎日が続いています。4月から学校ではどのようにして生活習慣等を身につけさせているのか・・・等について紹介してきましたが、早いもので、半年が過ぎ、今月で最後になりました。
△星人□星人.jpg 
  今回は、学校ではどのように学習を進めているのか。一例を紹介します。左記の写真は2年生の三角形と四角形の学習の様子です。ただ、定義を教え書かせるのではなく、△星人□星人を登場させ、博士が指令(学習課題)を伝えるというストーリー性とゲーム性を取り入れて、子どもたちが興味を持って楽しく学習ができるように工夫をしています。また、色画用紙で三角形を何百枚も作り、それを子どもたちに与えて一人一人が切ったり並べたり活動を通して理解できるようにしています。自分の考えを発表.jpg右記の写真は、活動によって得た自分の考えを発表しているところです。個々の考えを発表させ交流させることで、考えを深めたり、新たな考えに気づいたりしていきます。また、それと同時に、人の前で自分の考えを堂々と説明できる力も育てていきます。
学習のまとめ.jpg
 授業の最後は、必ず最初の学習課題を振り返り、自分の言葉で何がわかったのか学習のまとめを書き、今日の学習についての頑張りを自己評価することで、次時の学習への意欲付けにします。
 
 
 
  下記は、5年生の体積の学習の様子です。ただ、公式を教え体積を求めさせるのではなく、一人一人に体積を求める発泡スチロール(教員の手作り)を渡し、子どもたちは組み合わせたり、デコカッターで切って直方体にしたりして、今までの既習知識を使って求めていきます。図を見て公式に当てはめて計算するというのではなく、このような活動を取り入れることで、子どもたちが、自分で解決して体積を求めることができたという喜びを感じ、学習することの楽しさにつながります。
5年生の体積の学習.bmp
 学校では、教科書にあるものをそのまま教えるのではなく、どんな教材を使って、どのように授業をしたら、子どもたちが興味を持って楽しく学習できるか、そして理解させることができるか・・・創意工夫の毎日です。    

  それでは、家庭での学習は?ということになりますが、生活の中には、学習につながるものがたくさんあります。例えば、食事の準備で「一人お皿を2枚、5人分並べてね。全部でお皿は何枚いる?」と聞いたり、買い物で「キャベツとお肉とバナナを買うのにお金はいくら払ったらいい?」と問いかけることで、算数の学習ができます。算数だけではなく、いろいろな学習の材料が生活の中にあります。歩きながら、目に付いた看板の文字を一緒に読むことで漢字の学習にもつながります。このようにちょっと意識して働きかけることで、日常の生活の中で多くの体験、学習ができます。学校で学んだことが生活の中で生かされてこそ、生きて働く力となります。
  また、学習の習慣は1年生に入学したときから、身につけさせることが大切だと考えます。1年生は10分でもいいので机に付く習慣を身につけさせたいものです。最初は、本を読むことだけでもいいと思います。学年があがるにつれて、少しずつ時間を長く、学習の内容も与えられたものから、自主的な学習につなげていくといいですね。本校は、学年×15分~20分を目標に全校での取組を進めています。
 決まった時間になると机に付くという習慣を低学年で身につけさせておくと、後々子ども自身が苦労しないで家庭学習に取り組めるのではないでしょうか。

最後に・・・・・自分の子育てから
  このウェブ講座にアクセスされている方は、いま子育ての真っ最中だと思います。学校の子どもたちの話とは少し離れますが、私の子育てを少し振り返って紹介します。正直なところ、親としては失格だったかもしれません。二人とも0才から保育園に預け、授業参観、運動会、卒業式など学校の行事にも、自分の仕事を優先してほとんど行くことがありませんでした。夜遅くなるときは一度帰って、食事の準備をして学校に戻るのですが、帰ってきたら寝ないで、外で泣いていることもありました。また、「仕事をやめて家にいて」と泣いたこともあります。
 このような生活の中で、いろいろありましたが、なんとか育ってきました。「忙しい母のようにはならない」と言っていた娘たちですが、今、教職につき私と同じ道を歩もうとしています。なんとか育ったのは、今考えると下記に挙げていることが大きいような気がします。(参考にはならないと思いますが・・・)
■ 毎日の食事
   ・朝は、必ずご飯と味噌汁、昼は中学校・高校は弁当、夕食は可能な限り一緒に
■ 生活習慣の徹底
   ・寝る時刻、テレビの時間、机で勉強、家族の一員としての仕事・・・・等
■ 親の生き方を伝える(仕事のことを話していく)
   ・理解できなくても、幼児のときから頑張っていることを伝えていく
  結果的には何とか育ちましたが、娘たちは笑いながらいいます。「私たちは育てられたというよりも、自分たちで育った」と・・・・・

~校長室から~第5回 2学期が始まりました

平成19年9月6日

 44日間の長い休みが終わりました。休み中の子どもさんの家庭での過ごし方は、いかがだったでしょうか?まずは、事件・事故に遭うことなく元気に登校できることが一番ですね。
 本校の子どもたちの登校の様子を見ていると、うつむいている子どもたちが多く、「おはようございます」と声を掛けても半分くらいしか挨拶が返ってきませんでした。何人かに話を聞くと、夏休みの宿題が終わらずに夜遅くまで頑張ったり、夜更かしの習慣が付いてしまって朝起きることができなかったりと・・・子どもにとってはちょっときつい2学期のスタートだったようです。
  学校では、各学期スタートの1~2週間を大切にします。この始まりの時期に、学習規律・生活態度の定着を図ります。下記は、教師のチェック表です。確実に指導し、2週間後に80%以上の子どもたちに定着を図ることを目標に取り組んでいきます。
 チェック項目だけ見ると画一・管理的のように見えますが、子どもたちと話し合って決めたり、取組を行ったり、評価を続けたりして、実態に応じて身につけさせていきます。
 学習規律・生活態度が身につくことで、落ち着いた環境の中で学習ができ、子どもたち自身もどう行動するかがわかり、安心して生活できます。また、全教師が同じ指導(全校児童が、同じ学習規律・生活態度を身につける)をすることにより、担任が替わっても、学級編成があっても、とまどうことなく学校生活が送れます。

【始業前】
□ 教室にはいるとき、元気なあいさつをする
□ 宿題を全員提出する
□ 8:30のチャイムが鳴ったときには、全員が席に着く
【朝の会】
□ 8:30のチャイムと同時に朝の会を始める
□ 健康観察で子どもの健康状態を確実に把握する
□ 朝の会終了後、全員が名札をつけている
【学習の始め】
□ 学習用具を机の上に出す(教科書、ノート、
  筆箱(鉛筆5・6本、消しゴム、赤・青鉛筆(ペン)、定規)の3点セット)
□ 正しい姿勢でいすに座る
□ 「姿勢。今から(○時間目の)学習を始めます。礼。」
  「(お願いします)」のあいさつを全員でする。
□ 体育の前には、脱いだ洋服をきれいにたたんで置いてある
【学習中】
・読み方
□ めあてを全員が、張りのある声で読む
□ 教科書を読むとき、きちんと両手でもって読む
・発表の仕方
□ 手をまっすぐに挙げて、きちんと挙手する
□ 発表の時に、一回だけ「はい」と言って、挙手する
□ 主要発問に対して、80%の子どもが挙手する
□ 名前を呼ばれたら返事をして、いすの音を立てずに、すばやく立つ
□ クラス中に聞こえるような声で発表する
□ 聞く準備ができてから話し始める。
・聞き方
□ 発言者の方を見て聞く
□ 発表者の考えにうなずいたり、反応したりしながら聞く
・ノートの使い方
□ 学年に応じたノートの使い方指導をする
□ 学習のめあてやまとめを決められた色で、定規を使って囲む
□ ノートのマスに入れて、丁寧に文字を書く
□ 線は定規を使って書く
【学習の終了】
□ 学習が終わるまで、道具を片付けない
□ 「姿勢。これで(○時間目の)学習を終わります。礼。」
「(ありがとうございました)」のあいさつを全員でする
□ 時刻通り、授業を終える
【休み時間】
□ 教室や廊下を走り回っていない
□ 学校生活に不必要なもので遊んでいない
□ 休み時間終了のチャイムが鳴ったときは、全員席に着いている
□ 休み時間終了後のトイレのスリッパは並んでいる
【給食の時間】
□ 給食準備前、マスクをつける
□ 給食準備前、ごみが落ちていない
□ 給食を食べる前、よけいな物を扱っていない(本、えんぴつなど)
□ 給食中、自分の役割を果たしている
□ 当番は「エプロン、帽子」をきちんとつけている
□ 給食中、立ち回っていない
□ 給食中、適度な声の大きさで話している
□ 給食後、ゴミが落ちていない
□ 当番に対しての「ご苦労様でした」のあいさつで、給食が終わっている
□ エプロンをきれいにたたんで袋に入れている
【掃除】
□ チャイムと同時に掃除を始めている
□ 自分の役割が明確で、役割を果たしている
□ 時間いっぱいすみずみまで掃除をする
□ 話をしないで掃除をする
□ 掃除終了後、ゴミ・ほこりは落ちていない
【読書タイム】
□ チャイムと同時に読書を始めている(読書タイム前に本を選んでいる)
□ 読書タイム中、話し声がない
【帰りの会】
□ 落ち着いた雰囲気で、帰りの会をしている
□ 1日の振り返りをしている
【その他】
□ 常に教室内にゴミが落ちたままになっていない
□ 机が常にきれいに並べてある
□ 使った物をもとの通りにちゃんと片付けている
□ 忘れ物がない
□ 不要なものを持ってきていない
□ 落とし物がない
□ 命令形の言葉づかいがない
□ 目上の人(先生や地域の人、保護者)に対して、正しい言葉づかいで話す
□ 教室移動は並んで静かにできる

ご家庭でも、このスタートの時期をとらえて生活リズム(起きる時刻、寝る時刻、学習時間・・・)を身につけさせられるといいですね。

社会に出たときに必要な力は・・・・

 夏休みの研修会で、ある起業家の話を聞く機会がありました。社会で通用する人、会社にほしい人材は、「■敬語が使え、礼儀作法が身についている ■最後まであきらめずに粘り強く努力する ■他とのコミュニケーションがとれる・・・この三点です。」と言われたのが強く心に残りました。身につけることは、簡単そうでなかなか難しいものです。大人になったから、社会に出たからといって、即できることではありません。敬語を使ったり、礼儀作法に気をつけたり、人とコミュニケーションを取ったりすることは、子どもの時から繰り返し生活の中で身につけていく必要があります。もちろん粘り強く努力する力(忍耐力)も同じです。子どもたちには、教科の学習だけではなく、社会に出たときに困らないように、学校生活の中でそして家庭生活の中で力を付けてあげなければと思います。

~校長室から~第4回 夏休み・・・「早寝・早起き・朝ご飯」

平成19年8月3日

 暑い毎日が続いています。学校は、21日から夏休みに入りました。子どもたちは、楽しみにしている夏休みですが、保護者の方からは、「毎日どのように過ごさせたらいいのでしょうか?大変です。」という声をよく聞きます。
 夏休みが終わって学校に登校してくる子どもたちの姿は、1学期と変わらず、生き生き登校してくる子どもと、何となく疲れていて意欲のない子どもたちに分かれます。この違いは、40日余りの夏休みをどのように過ごすかによって、違っているような気がします。
 休みになると、何となく生活リズムが乱れてしまいます。最近は、夏休みに六時半のラジオ放送に合わせラジオ体操をするところはほとんどなくなり、朝、早く起きる必要もなくなりました。そのため、夜更かし、朝寝、結果朝ご飯を食べないというリズムができてしまう子どもたちも多くいます。 大事なことは、夏休み中でも「早寝、早起き、朝ご飯」この習慣を継続させることだと考えます。この「早寝、早起き、朝ご飯」に加えて、目的をもって休みを過ごすことができれば、きっと2学期も元気に登校できると思います。
 目的を持って過ごすには、夏休み全体の計画、1日の計画を子どもさんと一緒に立てられるといいですね。計画は、立てるだけに終わらないように、1日の計画がどうだったのか、夕食時に話題にできるといいですね。お仕事等で、一緒に夕食をとることができない
家庭では、交換日記もいいですね。子どもの行動を知ることもできるし、毎日、書くことにより表現力も育っていきます。

家族の一員として・・・仕事を!
 本校では、夏休みに「家族の一員として毎日仕事をしよう」ということで、仕事を決めさせています。単なるお手伝いではなく、決めたことを仕事として毎日行わせることによって、家族の一員としての存在感や責任感、そして継続させることで忍耐力を育てることができると考えます。もちろん、決めただけでは子どもは続けて行うことがなかなかできないので、「上手にできたね。」「○○ちゃんがしてくれるので、助かっているよ。ありがとう!」などほめたり、認めたりする言葉かけが必要です。この言葉かけによって、自分は家族の一員として役に立っている、仕事をするのが楽しいなどの有用感や成就感も味わうことができ、心も育っていきます。また、家族の会話も生まれてきます。
 どのようなことを仕事として任せたら・・・子どもたちは、教えればほとんどのことができます。下記は、夏休みの仕事につなげるために、1年生の生活科で「お手伝い大作戦」として、学習したときの写真です。

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 洗濯物たたみ、お茶碗洗い、トイレ掃除、靴洗い、玄関掃除・・・・1年生でもとっても上手に、そしてきちんとできていました。きっと、5.6年生では家庭の仕事のほとんどのことはできるのではないでしょうか。2~3日はいっしょにやりながら教え、それから任せていくといいですね。子どもの頃から家族の一員としての仕事の継続は、将来のよき家庭人にもつながるような気がします。

 保護者にとって、大変な夏休みを、子どもの育ちを身近に感じる楽しい夏休みに!!

~校長室から~第3回 校門で見える子ども(家庭)の姿は・・・

平成19年7月4日

 毎朝、校門で「おはよう」と声をかけるのも三年目になり、子どもたちのいろいろな姿に気がつきます。本校は、集団登校をしていますが、いつもきちんと並んで登校する班、並ばずバラバラの班(班長が「並びー」と指導しているけど、班員が言うことを聞かなかったり、反対に班員は並んできているけど上級生の班長が他の班の友達と行ったり・・)何度繰り返して指導しても、きちんとさせることは、むずかしいものです。

 ある雨の日のことです。最近の子どもたちは、なかなか傘をさそうとしませんが、大粒の雨だったので傘をさしていない子に「ぬれたら風邪を引くよ。傘をさした方がいいよ。」と声をかけました。ある子は、「べつに風邪引いてもいい。めんどくさい!」ある子は「ありがとうございます(心配してくれて・・)」同じ言葉をかけても、返ってくる言葉は違います。
 また、毎日元気よく「おはようございまーす」と言って門を通って行く子もいれば、名前を呼んで声をかけても絶対に挨拶をしない子もいます。この違いは、どこからくるのかな・・・・・と考えさせられます。

 ある日のことです。いつも元気な男の子がなんとなく元気がありません。「どうしたの?今日、元気がないね」と声をかけると「朝、お父さんとお母さんがけんかしていた。ぼく、それが心配・・・」と。「だいじょうぶよ。学校から帰ったら、きっと仲直りができているよ」と話したのですが、気になって教室をのぞきました。やっぱり元気がありませんでした。次の日の元気な姿に安心したのですが、子どもたちはいろいろな家庭の状況を抱えて登校しているのだなと改めて感じたところです。
 毎日の表情を見ていると、家庭の状況もですが、学級の様子も見えてきます。元気よく登校してくるときもあれば、何となくいらいらしていたり、下を向いていたり・・・子どもの姿は、その時々によって違ってきます。学校では、子どもたち一人一人の表情に気をつけ、その変化を見逃さないようにしているつもりですが、ご家庭で何か気になることがあれば、いつでも学校に連絡をしていただけたらと思います。

 子どもたちはいろいろな心の状態を抱えています。心を育てていくことは、とっても難しいことです。学校の指導だけでは育っていきません。家庭は「教育の原点」と言われますが、学校と家庭がしっかり連携をとって育てていかなければならないと強く感じる毎日です。     

~校長室から~第2回 学校での基本的な生活習慣とは?その2

平成19年6月1日

運動会では・・

 本校は、5月末の日曜日に運動会を行いました。真夏のような天気が続く中に頑張って練習した成果を一人一人の子どもが発揮していました。光化学スモッグとは縁のないような前原市にも5月半ばに初めての光化学スモッグ注意報がだされ、運動会当日も心配をしましたが、どうにか最後まで行うことができました。
 運動会では、保護者の皆様は子どもたちの演技や競技の完成された姿等をご覧になると思います。学校の教育活動では、その完成に至るまでの過程を大事にします。一人一人の子どもたちに運動会でどのような力を付けるのか、持っている良さをどのように生かすのか・・・各教師が、そのねらいをしっかり持ち、目指す子どもの姿に向けて、運動会の取組を行います。
 競技では、当然勝ち負けがあります。勝つことにこだわり、負けたことの悔しさを他の子どもにぶつける子どももいます。そのため、子ども同士のトラブルも発生します。しかし、これは子どもたちに何が大事になのか、今後どのように力を合わせたらよいのかなど、相手の気持ちを考えさせるとともに、よりよい行動の仕方を、話し合わせ、考えさせる機会ともなります。子どもたちは、いろいろな体験を通して育っていきます。


身の回りの整理整頓
学童期1.jpg 左は、運動会の練習で運動場に出た後の1年生の教室の写真です。運動会の練習期間は、体操服に着替えることがほぼ毎日ですので、この機会を捉えて、服をきちんとたたむ、上靴をそろえる、椅子を入れる等・・習慣となるように根気よく指導をします。
 1年生でもきちんとできるようになるので、家庭においても小学生の児童に洗濯物をたたむことを、家族の一員としての仕事として任せることもできるかと思います。何事でもそうですが、家庭と学校と一緒に取り組めると、早くに定着することができますね。
学童2.jpg

 また、右は整理整頓を指導するときに使った写真です。靴箱への靴の入れ方、傘の置き方、ランドセルの置き方・・これ以外にも机の引き出しには何をどのように整理して入れるのかなど・・細かいところも一つずつ丁寧に指導していきます。

 このような、小さな生活習慣が身についていくことで、大人になってよき社会生活・家庭生活を営むことができるようになっていくのではないのでしょうか。


心を育てる
 学校では、「~しましょう。」だけではなく、なぜそうするのかということを考えさせます。トイレのスリッパにしても、並んでいなくて困った経験等を出し合わせることによって、次の人が困るから・・次の人のことを考えて・・相手を思いやる心とつなげて指導します。
 子どもたちのいろいろな行動は、評価(ほめる)してあげないと継続しません。
 例えば、トイレから出てきている子どもたちに、「ありがとう、スリッパをきちんと並べることができたね。次の人が助かるね。えらいなあ・・」   ちょっと声をかけると、やっていなかった子どももやり始めます。ほめられた子どもは、とってもうれしそうな顔をします。大人でもそうですが、子どもたちは認められることで、もっと頑張ろうという意欲をもちます。いかに子どもの良さをとらえて、認め、ほめるかによって、いろいろな生活習慣の定着が図られるだけではなく、心が育っていくような気がします。ご家庭でも、毎日一つは、認めほめてあげたいですね。

 

~校長室から~第1回 学校での基本的な生活習慣とは?その1

平成19年4月27日

 新学期が始まって1ヶ月がすぎました。どこの学校の子どもたちも、新しい学年・学級になり、担任とともに頑張ろうという意欲を持って学校生活を送っていることと思います。
 「毎日、朝ご飯を食べてきている子どもほどテストの得点が高い」「テレビの視聴時間が長いほど学力は低下傾向にある」という調査結果が出されていますが、これは朝ご飯を食べさせたら・・テレビを見せなかったら・・学力が向上するのでしょうか?そうではないですよね。朝ご飯を食べさせることはもちろんのこと、基本的な生活習慣(生活のリズム)をきちんと身につけさせることだと思います。家庭での基本的な生活習慣がきちんと身についている子どもは、情緒が安定しているように感じますし、学校でも落ち着いて学習に取り組むことができています。このことが、学力の向上につながると考えます。
 では、学校における基本的な生活習慣とはどのようなことでしょうか?学校には、様々な決まりや行動様式があります。集団生活ですので、子どもたちがこれらをきちんと守って生活できないと学校全体が落ち着かない状況になってしまいます。 何をどのように身につけさせているのか、少しご紹介をしたいと思います。

チャイムを守る
チャイムを守る.png
 学校の生活はチャイムに始まってチャイムで終わります。まずは、このチャイムで行動(最終的には、自分で時計を見て行動できるように)できるようにします。左記の写真はチャイムとともに読書(毎日、掃除後10分間)をしている姿です。10分間は物音一つ聞こえない静かな時間です。このような姿がすぐにできあがるわけではありません。「チャイムが鳴ったら席に着きます」と一言いっても決して全員の子どもが席に着くことはありません。席に着いている子どもをほめたり、遅れてくる子がいるとまず理由を聞いて、理由によっては「学習を始められずにみんなが困る」と指導したり、がんばりカードで取組をしたりと・・様々な支援・指導を繰り返しながら、全員の子どもがチャイムが鳴り終わったときに、席について読書をしている、学習の準備ができている、掃除を始めているなどの姿が生まれてきます。
 チャイムを守ることは、時間を守ることです。大人社会では、時間を守らなかったことにより、信用をなくすこともあります。学校で指導している基本的な生活習慣は、日常の生活に結びつくものであり、子どもたちが社会に出たときに必要とされるものです。
  学校での集団生活を通して、子どもたちには、社会のルールを身につけてほしいと思っています。