~子どもが伸びるかかわり方~(第4回)
平成22年12月8日
重度の自閉症と診断されたC君。他人と目を合わせることが苦手で、砂や水など触覚遊びにこだわっているように見えます。
水遊びや砂遊びが唯一、自分を取り戻せることなのかもしれません。少なくとも周りの人は、“彼は水遊びが好きなのだ”“砂の感触に夢中になっているのだ”と、そう思って疑いません。
「本当にそうなのだろうか?」と、疑ってみることから出発してみませんか?近づけば、そこから離れるかもしれません。また、言葉をかければ、知らないふりをするかもしれません。でも、次の日にも、同じように近づいてみましたか?何日間近づけば、C君が受け入れてくれるようになるかを確かめてみましたか?
自閉症の特性として、変化に弱いということが言われています。でも、同じことが繰り返されれば、脳は慣れるとも言われています。
穏やかな表情で、ゆっくり近づくことを繰り返せば、いつかは慣れ、共にいることを受け入れ、楽しみ、見つめ合うことがきっとできるようになるはずです。そんな接近の方法を、だれか試してみませんか?
失敗と思ったことを繰り返す子どもはいません。それは、本能だからです。しかし、失敗したことに気付かず繰り返す子どもは多数います。今したことが失敗なのか成功なのか、社会のルールに照らし合わせて判断することができる子どもを育てることが肝要となってきます。
私は今、人とのコミュニケーションに課題のある人たちを支援する職に就いていますが、時には、こちらが支援を受けていると感じることもあり、充実した毎日を送っていることは確かです。
今までも、そしてこれからも、支援とは、双方向の気持ちや言葉の橋渡しだと実感している今日この頃です。