早寝のすすめ

令和3年1月21日

 一部訂正のうえ、再掲載しました。
  ②朝ごはんを食べるの2行め
  正:私は、前夜に味噌汁やスープを多めに作り、そのまま朝食でもいただきます。
  誤:私は、前日の夕食を多めに作り、そのまま朝食でもいただきます。
  

 5年前、長女が中2だった学級懇談会でのことです。担任の先生が保護者に向けて「とにかくお子さんを早く寝かせてください。早く寝られないなら塾をやめさせてください。」とおっしゃいました。教室は、戸惑いの空気に包まれた気もしましたが、私は『ついにこんなことを言ってくださる先生が現れた』とうれしくなったのを覚えています。今では、しっかり眠ると、学んだことが身につくことは、多くの方がご存知でしょう。これは、いったん脳の海馬に取り込まれた「今日」の情報が、眠っている間に、大脳皮質に記憶として保存されるためです。また、夜更かしする子どもは体温リズムが狂うこともわかっています。通常、体温は朝から夕方にかけて上がり、夕方から夜にかけて下がります。おおむね学校にいる間、体温は右肩上がりで、勉強も運動もしやすい、いわゆるパフォーマンスが高い状態にあります。ところが、夜更かしをすると、この体温変化が後ろに数時間ずれ込みます。中学生にこの話をすると、「確かに平日の部活は調子がいいのに、土日の練習試合ではイマイチ」という声が聞かれます。試合は朝からですから、体温変化のリズムがずれていると、体温が上がり始めるのが遅れ、持っている力を発揮できませんね。受験だって朝からです。十分、力を発揮できるよう、子どもには質・量ともに良い睡眠をとらせたいですね。そのためのご提案を3つ。

①朝の光を浴びる
 朝の光を浴びると脳が目覚めます。
 起きてから14時間後にメラトニンという眠くなるホルモンが出ることがわかっています。

②朝ごはんを食べる
 よく噛むことで、脳が目覚めます。
 朝食の準備に時間をかける必要はありません。私は、前夜に味噌汁やスープを多めにつくり、そのまま朝食でもいただきます。毎日です。私の母に至っては、朝食の献立は、目玉焼き、焼き魚、味噌汁、納豆、のり、漬物と決めていました。朝から魚を焼くなんて、私にはとてもまねできない手間ですが、献立を考えなくていいというのはとても気楽ですね。冷凍食品や、コンビニも便利です。余談ですが、母は「日曜の夜はカレー」もお決まりでした。味を変えれば、シチューや、豚汁にもなると教わりました。

③夜寝る時刻を決める

 高学年でも、遅くとも10時を目標に、寝る時刻を決めます。それに合わせてスケジュールを立てます。この話をすると、小学生でも、「習い事や塾などで無理」という声が上がるのが現実です。ちゃんと眠ると、今日学んだことが記憶として整理されるという話もしているので「せっかくの勉強や習い事も、ちゃんと寝ないともったいないからね。出来るだけ早く寝てね」とお願いしています。また、寝る2時間前には電子メディア機器を使用しないことも心がけます。なぜなら、ブルーライトが脳を昼間と勘違いさせるからです。そして大人も、早く休みましょう。「無理!」という声が聞こえてきそうです。私は大病をしてから早く寝るようになりました。それまでは、家事を終わらせねばとか、夜更かししてお気に入りのブログをチェックするなどしていたのですが、今では9:30には布団に入ります。これには、老若男女に驚かれます。しかし、夕食後のままのキッチンや、たたんでいない洗濯物、散らかったリビングなどは目を瞑ればもう見えません。明日の朝の、元気を取り戻した自分にお任せしたほうが、案外はかどります。

 以上3点、お試しください。時間もお金もかかりません。

 最後に、私の体を定期的にメンテナンスしてくれる整体師さんの言葉です。

「睡眠を削るのは命を削るに等しい」。

参考文献 清川輝基・内海裕美(2018)子どもが危ない!スマホ社会の落とし穴.少年写真新聞社

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