~子ども達の笑顔を見続けるために~第3回 安心して死ねますか?

平成20年7月2日

 とあるところでの講演の数日後、講演を聞かれた方からメールを頂きました。
 深夜のパソコンの前で私は涙が止まりませんでした。

 『こんにちは。私の友人は42歳で亡くなりました。子宮がんでした。
 亡くなる時、中学1年生、5年生、2年生の子供が3人いました。がん発見から亡くなるまでの2年間、おかしな言い方ですが最期まで元気でした。元気に笑顔で、子どもたち一人ひとりに「ありがとう」と声をかけて亡くなりました。
 その彼女が言った「私は子どもたちのことは少しも心配していない。しっかり子育てはしました。心配なのはお父さん(ご主人)のことだけです。」という言葉が、私の子育ての原点です。
 私にも今中学1年と小学2年生の子供がいます。「私はこの子たちを残して、彼女のように何の心配もない、と言いきって死ねるだろうか」いつも、そのことが私のなかにあります。先生のお話のように、私たちは、いつか子どもを残して死んで行く日がきます。私の父は、私が11歳の時に事故で亡くなりました。私は、朝「いってきます」と出かけて行った人がもう帰ってこないことがあるということを知っています。だから、毎日笑顔で「行ってらっしゃい」「行ってきます」という言葉だけは大事にしています。私は、子どもたちから、「お母さんのような大人になりたい」と思ってもらえるほどの親ではないかもしれませんが、子どもたちが自分の足で歩んでいくことができるように、導いていけたらと思っています。』

 私たち大人は子どもたちより先に生まれました。先に生まれたものが先に死んでゆくのが良いです。順番が逆になってはいけません。私たちのいなくなった後、子ども達は一人で生きていかなければなりません。生き抜くための知恵・知識・技術をもっているでしょうか。生きていく環境は綺麗なのでしょうか。子ども達にとって一番大切なものはなんですか?先に死に逝く大人として本当に必要な子育てをしなくてはいけない気がしています。

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