平成21年4月2日
新しい年度が始まりました!
みなさんのお子さんも、進学、進級され新しい生活がスタートしているのではないでしょうか?
新生活と同時にケータイを使うようになったお子さんも多いでしょう。
■ケータイトラブルは起きるもの
<ケータイを持たせたからには、必ずトラブルは起きる!>
保護者としては、この覚悟だけは必ずしておいてください。
トラブルの渦中にあるときは大変ですが、乗り越えていくことで子も親も大きく成長します。
かといってトラブルに対して無防備だと、取り返しがつかないほど深刻で重大なダメージを受けてしまうのがケータイ・ネットという道具です。くれぐれも甘く見てはいけません。
「必ず起きるもの」と覚悟を決めて準備をしておくことが、トラブルを乗り切る力になります。
■持たせ始めに起きるトラブル
1)ケータイ依存
ルールを決めていても、ついついはまり込んでしまい、依存に近づいてしまう道具です。
本人が気をつけていても止められないから依存なのです。ルールが守られるように家族が気をつけておかねばなりません。
2)いじめ・誹謗中傷
ネットいじめのピークは、高校1年生の5月~6月だと言われています。
人間関係が大きく変わり、ケータイの所持率が100%に近づくからです。
それ以外の学年、時期でももちろんネットいじめは起きます。
ネットいじめ対策には、「ケータイの見守り」が有効です。
3)過大な使用料
料金制限をかけていなかったために、通信料だけで10万円以上の請求が来たという話は後を絶ちません。1ヶ月で100万を越える通信料を支払ったケースもあります。
ルールで使用料の上限金額を決め、指定金額を越えたら使用できなくなる料金制限をケータイショップで申し込みましょう。
4)個人情報の取り扱い
サイトが公共の場であるという意識がほとんど無い子もいて、無防備に個人情報をさらしています。特定の相手に送っているつもりのメールも、いくらでも転送、転載できますので十分注意が必要です。人に見せられない写真や文書が漏洩している場合、ほとんどメールが情報源です。
懸賞、占いなどのサイトは、個人情報の流出拠点と考えましょう。
5)迷惑メール、チェーンメール、ワンクリック詐欺
これらは「無視」が基本対策です。「不要な場合はここをクリック」といったことも絶対にしてはいけません。迷惑メールは一度届き始めると、どんどん増加します。対応策はアドレス変更するか、メールを使用しないようにすることです。
■大切なのは「話し合える関係」
トラブルが起きたとき、すぐに子どもが保護者に相談してくれれば、深刻な事態にならずに対応できます。しかし、トラブルを起こすとケータイを取り上げられるといった罰を恐れて、自分で対処しようとする傾向があります。これが問題を深刻化させます。
トラブルが起きたときこそ「良く言ってくれた」とほめ、やさしく微笑んで安心させ、「一緒に問題解決しよう!」と子どもを守る姿勢を示しましょう。
問題が解決した後に、「再発防止」「リスク回避」をテーマに親子で話し合い、使用停止や新たなルール決めを行いましょう。
■「ケータイの見守り」が有効な防御策
お子さんの同意の上で、メールチェック、サイトチェックをすることを「ケータイの見守り」と呼んでいます。フィルタリングで有害サイトの対策はできますが、前述のような問題に備えるには、見守りが有効な対応策となります。特に、持たせ始めはメールの送受信の内容、サイトの書き込みの内容までチェックするべきです。
メールやサイトは、それほど危険な道具だと考えてください。
大人に知られず、1日に100回、同時に50人に情報を送りつけられる道具は、メール、サイトだけなのです。
この情報発信能力がネットいじめの原動力になっています。
ところが保護者が見守りしているケータイが、クラスに数台あるだけで、ネットいじめは極端にやりにくくなります。どこで保護者にいじめの情報が漏れるか分からないからです。クラスに数組の問題意識の高い親子がいるだけで、自分自身はもちろん、クラス全体を守ることができます。
ケータイは無防備に持たせるには強力すぎる道具です。
しかし、その予防策、対応策はシンプルで技術と関係ないところにあります。
基本は親子の信頼関係と対話による問題解決です。