平成21年8月5日
福岡県助産師会では朝日新聞厚生事業団の‘子どもへの暴力防止プロジェクト助成’をうけて、「子ども虐待防止セミナー」を主催しています。
これは看護職者むけのものですが、これにさきがけ第1回目は7月に筑豊地区で子育て中のママ達も対象の2部構成でおこないました。
講師は橋本武夫先生(聖マリア学院大学教授)と松原まなみ先生(聖マリア学院大学教授)です。
橋本先生は実際に虐待をうけた症例(子ども)の写真をパワーポイントで示しながらお話をすすめられました。実際の現場ではもっと悲惨な…目を覆いたくなるような事例とも出会うそうです。示されたのはそのなかのいくつかでしょうが、後味の悪い胸が息苦しくなるようなものでした。
先生は子育て中のママたちを労いながら「ハグ(スキンシップ)」の大切さや、周囲のサポートの大切さをいわれていました。
講演後のあるママは、
先生から労いの言葉をかけてもらい心が軽くなった
頑張っている自分を褒めてあげれる
と言われていました。
あらためて子育ての大変さを感じつつ、求めてくる・これるママ達はある意味安心だけどそうじゃない・そうできないママ達は心配だなと思いました。
「虐待の連鎖」もよく言われることですが、虐待にかぎらず子育ての方法など大人からの影響が大きいことを痛感します。昔から「育てたように、子は育つ」ということばがあるくらい、やはり影響は大きいのですよね…。
参加されていたある中学校の養護の先生は、たびたび保健室に来る生徒をなだめあやすように手をつなぎ教室まで送るといわれ、そんな景色は珍しいことではないと言われていました。客観的にみても増えてる?減ってはいないような…とのことでした。
単発で学校の授業にはいったときも、ちょっと突っ張っていて関心のない振りをする生徒にわざと質問したりモデルになってもらったりすると、案外その後、素敵な笑顔をみせてくれたり、話しかけてくれたりします。幼いときに浴びた暖かいシャワーが足りなかったのでしょうか…。
18歳成人ということも議論されるなか、あらためて‘こころの成熟’など考えてしまいました。