新連続講座~性のこと、メディアのこと、できる限り伝えていきたい~第5回 思春期の性について(5)

平成22年3月2日

 今回と次回は、思春期に問題になりやすい婦人科的症状と、その対処法についてお話しましょう。

(1)生理不順
 生理が始まってしばらくの間は、生理の調節機構(視床下部~脳下垂体にあります)が大人になっていないので、生理不順のことがよくあります。ですから、多少の不順は心配ないでしょうが、「半年以上止まっている」「ダラダラと長く続く」「頻繁にある」といった時は治療した方がよいです。
 その場合はホルモン療法になります。お子さんにホルモン剤というと心配されるお母さんもおられますが、生理が始まっているということは、大人と同じホルモンバランスでいいのです。それが足りないから生理がおかしくなっているので、ホルモン治療は、足りないものを入れる訳ですから、貧血の時造血剤を飲むのと変わりません。

(2)生理痛
 生理痛は、「生理的で、病的ではない生理痛」と、「病的な生理痛」に分かれますが、10代の方の生理痛は、まず病的ということはほとんどありません。上手に症状をコントロールできればOKです。 治療法は、大きく3種類です。

1・痛み止め:生理痛をガマンさせるお母さんがよくいらっしゃいますが、生理痛はガマンする必要はありません。毎月痛くなると分かっているなら、早めに飲むのがコツです。

2・漢方薬:漢方薬で生理痛が軽くなったり、生理の量が軽くなったりする方もいます。ただし、効き目に個人差があります。また、痛み止めは痛い時だけでいいですが、漢方薬は毎日、1日に2回とか3回とかの服用が必要です。

3・低用量ピル:前回書いたように、服用すると大部分の方で月経が軽くなるので、よくそちらを主目的として服用されるようになりました。10代の方でもOKです。
 しかし、もし年々ひどくなるのがはっきりしている時には、念のため婦人科を受診して下さい。未婚の方は、お腹の上からの超音波で診察しますので、診察の心配はいりません。

(3)生理の量が多い(月経過多)
 これも、10代の方では病気ではないことがほとんどです。日常生活で困るほど多い場合は、

1・止血剤:生理の量の多い間だけ服用すると、幾分減ることが多いです。効き目に個人差があることがあります。
2・漢方薬:上記 
3・低用量ピル:上記

 

 

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