平成21年11月4日
「思春期の性」というのは、とても難しい問題ですね。親の立場としては、できれば、なるべく避けて通りたい。でも、決して避けることのできない問題ですよね。
性教育については、よく「寝た子を起こすな」という言い方がされますが、問題は、はたして寝ているのか、もう起きているのではないか、ということです。
東京都での調査で、子ども達の性交経験率は、中3男子で9.8%、女子で4.3%、高3男子44.3%、女子35.7%です。調査によっては、高3女子では半数近いというものもあります。
「それは都会の話でしょう」とおっしゃるでしょうが、実は、10代の妊娠・中絶・出産は、地方の方がかえって多いのです。
2006年度の10代女子の人工妊娠中絶率は、全国平均が8.7件/10代人口千人当たりであるのに対し、福岡県は13.5件で、実は全国ワースト2です。
中絶が多いという事は、妊娠自体が多いわけで、出産に至る例も多いのですが、若年出産は、その後の子どもの虐待につながる危険が高いと言われています。
わが子ほど、親の思い通りにならないものは無いですから、それを、まだ子どもである10代の親が育てようとすると、思い通りにさせようと、「しつけ」の名のもとに虐待する、ということに至りやすいのです。
私の経験でも、特に高校生くらいの年令で妊娠中絶に至るような子どもさんは、もう中学生くらいで性交を経験していることも多いようで、どういう年令から具体的な性教育をするのか、どういう内容でするのか、というのが、非常に問題になってきますが、決め手は無いのが実情です。