思春期に多いこころの病気

平成25年2月28日

 思春期は環境の変化が多く,多感な時期でもあり,心の病気になりやすい時期です。

 まず、若い女性に多い過換気症候群(過呼吸症候群)は,不安から呼吸回数がふえ,血液中の酸素が増え,二酸化炭素が減るために,呼吸困難感,手足のしびれ感・硬直などが起こる病気です。最初は大変な病気になったと思いますが,実際には精神的な原因で起こるので,ゆっくり呼吸をして安静にしておくだけで良くなります。重症の場合でも精神安定剤を飲めば確実に良くなります。

 過敏性腸症候群は若い男女に多い精神的な原因による便通異常です。下痢型(男性に多い),便秘型(女性に多い),下痢・便秘交替型,ガス型(女性に多い)の4つのタイプがあります。いずれも精神的な原因なので消化器の検査をしても異常はありません。下痢型では外出しようとするとき,バス・電車に乗った時,教室で緊張したときなどに起こりやすく,その便意の不安から不登校になる人もいます。下痢型では、トイレに行きさえすれば落ちつくので、トイレに行きやすい環境をつくること,刺激の強い飲食物を避けることが大事ですが,重症の場合には、いろいろな薬があるので病院で相談してみるのもいいでしょう。便秘型の場合は,毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけ,繊維分の多い食品で排便をうながすことも必要です。いずれのタイプでも精神安定剤やカウンセリングが必要な場合があります。

 摂食障害には、拒食症と過食症があります。食べ方は逆のようですがどちらも食べることへのこだわりが強いことでは共通であり、ともに肥満恐怖があります。特に拒食症は30?を切るようなガリガリの状態になり,栄養障害や電解質異常で心停止が起こり,命の危険もあり得る病気です。本人は病識がないこともありますが,心療内科などでの専門的な治療が必要な病気です。

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