反抗期とは

平成25年1月31日

 反抗期には幼児期の第一次反抗期と思春期の第二次反抗期があると言われています。第一次反抗期はおむつがはずれる時期の何でも“いやいや”という時期です。第二次反抗期は中学生前後の親の言うこと聞かず,親としては扱いにくい時期です。

 しかし心理学的には親からすれば反抗期でも,子どもの側からすると自我の発達に必要な成長過程と言われています。親のしつけや社会のルールと自分の思いの不一致に対して抵抗する中ですりあわせをしながら成長していきます。反抗期の子どもはそれまで何ともなかったことにやたらと腹が立ったり,たいした理由もないのにいらいらしたり,親が自分の行動に意見することが勘にさわるなどの言動が見られます。親からするとどの子も多少なりとも反抗期がありそうですが,大学生に「反抗期があった?」と聞くと意外と反抗期があったという学生は少なく驚かされます。すなわちその時期には自分は自然にふるまっているのに,まわりがやたらとうるさく言ったり,とがめたてたりされると感じています。いわば自分は正しいことをしているのに周りがまともに受け取ってくれないと思っているため,自分には反抗期はなかったと感じている可能性があります。

 一方「反抗」するためには,反抗する相手が必要です。その相手とは日常的に関わりがあり,本来逆らうべきでないとされている相手で,なおかつその相手は「反抗」したぐらいでは簡単に倒れそうにないということが必要です。従ってその相手とは親であったり,教師であったりします。社会のルールには本音と建前がありますが,反抗する子どもは,大人が本音と建て前の妥協している部分やある意味ごまかしている部分をついてくることが多く,大人としてもまともに向き合うことはつらいことがあります。しかし子どもは親を仮想敵として成長していくので,親としてはそれから逃げずに子どもと対峙していく必要があります。

(参考:佐々木玲仁 教育と医学 2011-05)

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