第5回 子どもの学ぶ意欲を育てよう

平成18年9月3日

 子どもは、本来活動的で、新しい事柄に絶えず興味を持ち、色々なことを知りたがる好奇心旺盛な存在です。ところが現在、様々な調査の結果から子ども達の学習意欲が低下していることが明らかになり大きな問題になっています。

 意欲を持って学習に取り組み学力をつけて欲しいというのは親としての大きな願いの一つでしょう。そのために、家庭で叱咤激励して勉強をさせたり、塾に行かせたりすることも一つの方法かもしれません。しかし、忘れてならないのは、子どもの本来もっているはずの知的好奇心を上手に刺激することで学ぶ楽しさを身につけるということです。これは家庭でできる大切な役割ではないかと思います。

 具体的には、家庭でのコミュニケーションの中に、子どもが興味を持つような少し知的な内容を盛り込むことです。例えば今世の中で何が起きているのか、今日のニュースの中から話題を見つけながら意見や感想を述べ合ったりするのもいいでしょう。あるいは、ゲーム感覚で国の首都名を聞いてみたり、四字熟語を尋ねてみたりするのもいいでしょう。その中で、疑問に思ったことや分からないことを一緒に調べてみるというのも子どもにとっては楽しいことです。あまり難しく考えず、なんだか楽しいなと思えることを家族で一緒にすることです。

 国立教育政策研究所が行った「学習意欲に関する調査研究」によると、家族が仲良く楽しく過ごしているときは小学生で9割近く、高校生でも5割以上が「とてもやる気になる」「やる気になる」と回答し、逆に家族の仲が悪かったりしていやなときは7割以上が「とてもやる気がなくなる」「やる気がなくなる」と回答しており、家族が仲良くすることがやる気につながることが明らかになっています。

 家族の楽しいコミュニケーションの中で子どもの知的好奇心を刺激し学ぶ楽しさを身につけること、それが子どもの学ぶ意欲を育てることになるのです。

 夏休みが終わり、新しい季節の始まりに子ども達は目を輝かせています。実りの秋、子ども達に大きな収穫がもたらされるように親子で楽しく学ぶことにチャレンジしてみませんか。

 

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