平成22年11月6日
「みんなと一緒にソフトボールがしたい。」と、そんな気持ちを表情や言葉で訴えてきたのは、Bさんでした。
軽い麻痺があるため、バットを一定の軌跡でしか振ることができません。ソフトボールのルールも、彼女にとっては難しいようです。遊んでいる友だちの中に入っては三振やエラーを繰り返し、文句を言われています。でも、めげてはいませんでした。
私が、二人で練習しようと誘うと喜んで参加してきました。柔らかいボールを打つ練習です。私が、彼女が振るバットの軌跡に合わせてボールを投げると、何とか当たります。これを繰り返し行っていると、6日目からバットの振りがスムーズになり、少し軌跡を外しても打てるようになりました。
1ヶ月が経ったころ、打つことに関しては少し自信が付いたようです。同時に行っていた守備の練習でも、最初は、自分に向かって転がってきたボールのうち、足下を通り過ぎるものにさえ目で追うだけでしたが、3週間ほどで、自ら追いかけ、キャッチし、一塁に送球するほどの変容を見せました。
私は、このことから、自ら楽しく繰り返すことはとても大切なことだと、改めて思い知らされました。
自分の意志で、また、自分のペースで、日常的に繰り返してこそ成果が現れるということを誰もが知っているのですが、大人はそれに気づかずに、訓練的に、強引に、大人のペースでやってしまうことが多いものです。
しっかり抱いて→下に降ろして→ほっといて、の3段階で、子どもたちは成長します。私たち大人は、その子どもたちに寄り添い、そして、真の成長を促すために、今一度そのかかわり方を、子どもの思いに答えることで導き出す必要があるようです。