ほめて伸ばそう!

平成24年9月28日

 人は誰でもほめられると嬉しいものです。子どもは特にそうです。そして、この嬉しいという気持ちは、意欲や自尊感情(自分はかけがえのない、大切な存在なのだという感情、自分に対する肯定感)を高め、自らを向上させようとする力となります。


 福岡県青少年アンビシャス運動推進室(2010年)が、小学4年生と6年生計7,948名を対象に行なった調査研究によると、親からほめられる頻度の高い子ほど自尊感情の高い傾向にあることが明らかにされています。子ども時代に親や先生からほめられた体験が、その後の人生に大きな影響を与えたことを回想している作家や科学者、芸術家は少なくありません。

 
 ところが、日本の親や先生は欧米に比べると、ほめることが概して苦手です。ほめるよりもむしろ欠点や短所に目を向け、叱ったり、注意したりして育てようとする傾向が強くあります。これでは、意欲や自尊感情を高めるより、むしろ子どもの心を萎縮させたり、否定的な自己像の形成を促したりすることになりかねません。ほめることに関して欧米が「加点主義」だとすれば、日本は「減点主義」の国と言ってよいでしょう。


 ほめること・認めることの上手な親であるには、まずこうした日本の文化に気づくことが大切です。そして、その上で次のことを心がけたいものです。

(1) 子どものちょっとした伸びや良さに目を向け、積極的にほめましょう。
(2) ほめる時は、どんなところがよかったのか具体的にほめましょう。
(3) 他の子や兄弟姉妹と比較してのほめ方は、できるだけ控えるようにしましょう。
(4) 子どもの言動の「結果」だけを見てほめるのではなく、「過程」にも注目しましょう。
(5) タイミングを逃さず、できるだけその場でほめましょう。
(6) 笑顔でうなずく、「ありがとう!」と感謝の言葉をかけるなど、ほめ方には色々あります。工夫してみましょう。

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