平成24年11月28日
子どもが登校し、1時間目から学習にしっかり集中できるには、低学年なら始業時間の2時間くらい前、高学年なら1時間半くらい前には起きることが大切です。頭脳は目覚めてすぐ活発に働くわけではないからです。そして、もう一つ重要なことは、自立起床です。起きるべき時間に自分で目を覚まし、起きることです。これは自主的な生活態度の基礎となる習慣で、学習にも深く関係しています。
自立起床は、きちんとしつけておけば7歳頃までに十分できることです。ところが、福岡県社会教育委員有志の会(2006年)が行なった調査によると、「今朝、お子さんを起こしましたか」という質問に小学2年生の母親の63.7%、父親の21.7%が「はい」と答えています。一人の子を両親で起こすことは、まずないでしょう。したがって、親が起こした割合は合せて80%以上となります。問題は、この傾向が学年が上がってもそのまま続いていることです。因みに6年生の母親では63.3%、父親では22.2%、合せて85.5%が子どもを起こしています。福岡県立社会教育総合センター(2003年)の調査では、毎朝、子どもを起こしている中学生の母親が58%、父親が11%もいます。
かつては小学校に入ると、親や先生から「自分のことは自分で!」とよく言われたものですが、今はあまり耳にしません。朝起きは自分のことです。親がいつも起こしていると、それが当たり前になり、自分ではできなくなってしまいます。年齢相応に自立させるのは親の役割です。朝、自分で起きる子にするには、例えば「○○ちゃんは、もう3年生でしょ。いつもお母さんが起こしてるけど、これからは自分で起きれるようになろうね。起きなかったら、遅刻しないか心配だけど、お母さんはもう『起きなさい!』って言わないことにする。○○ちゃん、自分で頑張ってみよう!」などと、親の思いをきちんと伝え、忍耐強く見守ることです。そして、できたらしっかりほめてやってください。もちろん、朝起きは朝だけ考えてできることではありません。必要な睡眠を十分とっていることが前提となります。それには、過剰なテレビ視聴などを制限し、早く寝させることです。
ただ、遅刻の不安から学期中はなかなか実行できないという方がおられるかもしれません。その場合は、夏休み中など時間的にゆとりのある時期に取組むのも一つの方法です。