令和5年1月31日
前回、子どもの老朽化が進む『子どもロコモ(ロコモティブシンドローム)』についてご説明しました。今回は、具体的にどのような事から、改善していくべきかをご紹介していきます。
皆さんが子ども達を見ていて、姿勢が悪いと感じた事はありませんか?猫背などの子どもの姿勢の悪さは、運動不足とは別の要因が、体の機能に関係している事はご存知でしょうか?
姿勢が悪いからと、子どもに「背筋をピンっとしなさい!!」と言うことは、実は姿勢を正すのに効果はありません。逆に、ピンっと無理に背筋を伸ばす事は、脊椎を自然な状態から離してしまう行為のため、かえって『反り腰』になり腰痛やスポーツ障害に繋がりやすくなります。姿勢こそ、自然に正さなければなりません。
姿勢を正すためには『足の指』と『顎』をよく動かす環境をつくる事が重要です。人間の正しい姿勢は、足底と顎のどちらか1つでも上手く機能していないと悪くなってしまいます。足の指が器用に動かせない事で土踏まずが浅く(扁平足)、重心の位置が定まらない、左右の顎の動きが悪い、または左右差がある事で、噛み合せが悪いと脊髄に関わる首・肩・腰に異変が起こる可能性が高くなります。
そこで、簡単な改善策をご紹介します。まず、足の指の場合は、裸足で指をよく動かす習慣を付けることが大切です。例えば、家の中では必ず裸足になる、夏の外履きは草履・サンダル等の裸足に近い履物を使用する、親子で足指じゃんけんをして遊ぶ、寝る前に足指サポーターで指の間隔を広げる、などが効果的です。そうすることで、足底の土踏まずが上手く形成され、体重が足底にしっかり乗りやすくなり、脊髄に負担なく背筋をピンッと張る事が、苦ではなくなります。
次に、顎の場合は、子どもの顎を手で触れて動きを確認することや普段の食事の中で、『よく噛む』『顎は動いている?』など、声掛けしてあげることが大切です。
このことを気にかける事で子どもの姿勢は自然と良くなってきますので、是非試されてみてください。
また、姿勢が良くなるという事は、運動においても力が上手く伝わりやすくなるため、運動機能向上のきっかけともなります。
次回は、老朽化を防ぐための子どもの運動習慣を促すきっかけや、運動したくなる親子間での運動時の言葉掛けについてご紹介します。