1.「老朽化の背景から将来的におこりうる問題」

令和4年12月23日

 皆さんは、「最近の子ども達について、少し体力が低いな、すぐケガをするな、何でこんなに動きが鈍いのだろう?」と疑問に思った事はありせんか?子ども達の体力が年々低下傾向にある事はもちろん、骨や関節などの運動器の動きがおとろえて、立つ、歩くなどの日常的な行動が行いにくくなるといった『身体の老朽化』が進んでいます。この様な問題を『子どもロコモ(ロコモティブシンドローム)』といい、現代における深刻な問題の一つとされています。本来は高齢者を対象に用いてきた『ロコモ』という言葉を、『子ども』に用いているのです。

 これらの問題は、幼児・小学生の頃の運動量が関係しており、運動不足により健康状態が悪化する可能性が非常に高くなります。また、新型コロナウイルスの感染拡大から、運動不足を改善するための環境は縮小傾向にあり、運動をする事への動機付けも、感染予防の観点から慎重にならざるを得ない状況が続いているため、子どもの『身体の老朽化』が進んでいく一方です。

 そうなると子ども自身の問題だけに限らず、子どもが成人した以降も、本人ではどうする事もできない家族全体の大きな問題になります。例えば、外に出てお友達と遊ぶ機会が少なかったことから精神的要因で引きこもりやフリーターになる、身体の老朽化から病気に繋がるなどが挙げられます。子どもの成人後の生活費や治療費など家庭の経済面に大きく影響し、学費とは別の出費が重なることで身体への問題だけでなく経済的な問題にも関わってくるでしょう。

 そこで、次回からは、簡単にできる運動や生活習慣など、子どもの身体の老朽化を防止し、運動機能が通常に働くための方法を何点かご紹介していきますので、是非、参考にしてください。

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