「子どもの望ましい行動を育む(はぐくむ)~Step1:ペアレントトレーニングの考え方~」

平成30年8月20日

はじめまして

 はじめまして、中藤広美です。私は、15年間、保育園や幼稚園で保育者として働いてきました。現在では、福岡県立大学で学生教育に携わり、子どもの発達支援等についての研究を行っています。
 この夏は猛暑が続いていますが、皆さんお体の調子は大丈夫でしょうか?こうも暑いと、ただでさえ大変な子育て中で、暑さも加担してイライラすることが多かったのではないですか?
 幼い子どもは、自分の気持ちを言葉で表現することは難しいものです。気に入らないことがあると泣いて訴えることがよくあります。さらに、そのような泣いた状態の時に何か言葉をかけてもなかなか泣き止まない。それどころかさらに泣き、手が付けられない状態になって親子ともども疲れてしまうことが少なくなかったという方もおられるのではないでしょうか。

行動の意味や理由を見つけるために

 実は、子どもの困った行動には、言葉では表現できないけれど意味や理由があります。その意味や理由を見つけるためには、子どもの様子をよく観察しましょう。そして、分かったら具体的な手助けをしてあげます。また、例えば、食事中においては、イスの高さを子どもに合わせたり、座る場所を変えたりすることで離席を防ぐことができるようになります。このように、保護者が環境を整えることで、困った行動と正反対の望ましい行動、すなわち「ほめてあげられるような行動」がとれるようにします。子どもをほめることで、成功体験をさせることが大切です。すると、子どもは、次第に望ましい行動が身についていくようになり、親はガミガミ言わずにほめることをメインにした子育てに切り替えることが「少しずつ」できていくようになります。

育むという意味

 「育む」という言葉の意味を調べてみました。その意味は元来、親鳥がひなを大事に育てる意味であり、「大切に優しく育てる」という意味で使われるそうです。今回からのWEB講座の4回シリーズでは、この「育む」という言葉を心にとめながらお話を進めていきたいと考えています。また、これからのお話しのベースは、私(中藤広美)がスタッフとして参加している福岡県立大学のペアレントトレーニングに基づいた内容になります。

次回からは、「朝起きて泣きさけび、なかなか保育園に連れていくことができない保育園男児」の事例を通して、「行動の意味や理由をさぐり」、「子どもをほめるための手助けの仕方や環境の整え方」、「ほめ方のコツやポイント」について具体的に触れていき、皆さんの子育てのヒントになるように進めていきたいと考えています。

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