平成27年10月16日
「『つかむ』を育てる」と言われてピンと来られる方は少ないと思います。
泥団子を丸めたり、木登りや雑巾絞りなど様々な「つかむ力」は、かしこい体と器用な手に深い関係があります。
最近、小学校低学年では2B~4Bの鉛筆を持ってくるように指示されるそうです。Bの数字が多いほうが柔らかく濃くなりますので、強く押し付け
なくとも字が書けるということになります。子どもが持つ鉛筆の筆圧が弱くなり、字が薄く見えにくくなっているからだそうです。
筆者が子どものころ(50年前)はHBの鉛筆が定番で、2B鉛筆はスケッチなどをするときなどに使う特別な鉛筆でした。
また、各種の調査では今の子どもたちは不器用になっており、
箸が上手に持てない
鉛筆が削れない
果物の皮がむけない
紐が結べない
などと報告されています。
生活スタイルが変わり、削ったり、むいたり、結んだりする必要性が少なくなり、道具が便利になり使う経験や機会が減ったということがある
かもしれません。
一般に、器用さを示すのは親指、人差し指、中指の3本を使っての「つまむ」作業ですが、実は“パワーグリップ”と言われる薬指と小指の
力強い「つまむ」力に支えられる能力なのです。
子どもたちは薬指と小指の力を使う遊びをしているでしょうか。
体は使わなければ強くならないように、薬指や小指も使わなければ強くなりません。遊びの中で様々な「つかむ力」を使う遊びや料理、
掃除、力仕事の手伝いなどをする中で、力強く器用な手を育て、「かしこい体」を育てることになるのです。