平成18年11月14日
私が勤務する保育園には、子どもたちが、毎朝元気に登園してきます。
9時を少し回って、お片づけがすんだら、「さあ、朝の体操です。」
あれあれ…?さっきまで元気そうにしていた子の元気がなくなっています。心なしか、顔色も青いような気がします。
しょんぼりした様子のその子と、お話しているうちに、「ははあん、おなかが空いているんだ!」ということに思い当たりました。
空腹を抱えて、エンストした車のように動けなくなって、床でゴロゴロしたり、しょんぼりしたり、イライラしてお友だちに突っかかったり、自分のクラスの活動にどうも入ってゆけない様子です。
その様子を見かねて、小さなおにぎりを二つ給食の先生に作っていただき、事務室の奥のお部屋で、こっそり食べさせてみました。
アラ不思議。たちまち元気を取り戻し、うれしそうにクラスへ帰っていきました。
これは、実際に保育園の現場で起こっているお話です。
「朝ごはん抜き」では、エネルギー切れになります。前日の夕食から、12時間以上食べずにいるのですから体の小さな乳幼児の変化は、見る見るうちに青菜に塩をかけたようになっていきます。
さらに、脳を働かせているのは、ブドウ糖だということですから、欠食した子どもの脳は、活発には働かず、したがって、脳の働きから生み出される「心」も育っていかないのではないでしょうか。
こうして、朝から十分な活動ができず、活動不足で夜眠れない、早起きできない子どもが出来上がっていくようです。
子どもたちだけではありません。親御さんの中にも欠食される方がいらっしゃるようです。
「脳」も肝臓や、心臓と同様に、人間の体内にある、「臓器」のひとつですね。
栄養不足の脳から「強い心」は育つのでしょうか。親も子も大丈夫でしょうか?
とても心配です。
今年4月から文部科学省は「早寝・早起き・朝ごはん」を提唱していますが、乳幼児期の、特に離乳完了期からの乳幼児と、その親御さんにとっては、人格の根幹を形成する時期の「朝ごはん」の規則正しい習慣は、とても大切なものですね。
はい!合言葉は、「早寝・早起き・朝ごはん!!」