平成29年11月2日
私たちは“人から認められたい”、“人のために何かをしたい”と思うものです。しかし、子どもの日常生活が「家庭」や「学校」などの狭く限定されたものとなっていることから、様々な体験が不足し、運動能力、コミュニケーション能力、思いやりの気持ちなどは育まれませんし、自分のことを自分でできない子は人助けができる状態にはなれない傾向が強くみられます。社会や自然から本物を知る経験や体験の不足は、大きな問題といえるのです。
最近の子どもはつまずいてよく転びます。その時、顔から倒れ込んで顔のけがや骨折をする子どもが増えてきました。これは、明らかに運動能力や反射神経の欠如で、体を使った外遊び不足から生じる現象です。
「子どもを取り巻く教育環境等に関する調査」(※)(平成22年)では、地域活動に「参加経験がある」47%、「これから参加したい」17%、「興味がない。今後も参加しない」36%との結果が出ています。そこで、「地域活動に参加して良かったこと」を挙げてもらったところ、「やりがいを感じた」60%、「新しい仲間ができた」48%、「地域の大人とつながりができた」32%、「人に認められて嬉しかった」28%などと答え、地域活動ならではの、やりがいや新しい仲間ができたことへの喜びがひしひしと伝わってきます。「地域活動に参加しなければよかった」と答えた子どもは一人もいませんでした。地域や自然の中では、“自分で考え、自分で判断し、自分が実行し、その責任は自分がもつこと”が最低限必要になります。地域活動や自然体験活動が“総合的な教育活動”といわれる所以です。
(※)「子どもを取り巻く教育環境等に関する調査」柏市教育委員会生涯学習課(平成22年 6・7月)