子育てQ&A:思春期

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中1娘が同性の友人からの誘いを断りきれず、ついつきあっているようです。

 娘さんはどのようなお付き合いをされているのでしょう。お母さんにはどのようにお話されますか。気が乗らないのに長い時間ズルズルと話し込んでいるのではないか、好ましくない友人ではないかなどと心配されているのでしょうか。

 この時期はまわりの友達と交流することをとても大切に考えるあまり、まわりに流されたり、今までの自分の環境とは違ったことに興味をもったりします。

 娘さんはお母さんによくお話されているようですから、親の見方や考えを押し付けるのではなく、しっかりと話を聞いていくことで、娘さんは自分の思いを整理することができ、どのように人と付き合っていくのかを自分で考えて行動されると思いますよ。


 
息子が小学生の時に離婚しました。親に非があると思いますが、息子の非行(タバコ・飲酒・深夜徘徊)をとがめることができません。

 中学生といえば、思春期・反抗期にあって、親にとっては心配な事の多い時期です。それに加えて、たばこ・飲酒・深夜徘徊などの非行が起こると、離婚したことに原因があるのではないか、これからどのように対応したらよいかと胸を痛めますね。

 離婚なさったということについては、そのことであまり思い患わない方がよいと思います。「人生において、より幸せになるため」の決断をしたと思ったらどうでしょうか。

 子どもの心に傷が残っていないかといえば嘘になるでしょうが、それはそれとして受け止め、現在こうして良かったと思える事に焦点を当ててみてはどうでしょうか。本来、子育てには課題が多いものです。母親一人が背負うものではありません。ゆとりを持って考えてみましょう。

 この際、息子さんの思いをゆっくり聞いたり、お母さんの本音を語ったりしてはい かがでしょうか。それには、場所を変えたり、環境を変えてみると案外話が進むのではないでしょうか。思い切って母子で戸外に出かけるのも良いですね。


 
中3息子はルーズな性格で、親との約束を守りません。注意をすると「うざい」と言ってごろごろしています。これからの進路の事を考えるととても不安です。

 親の思いとは裏腹に、ごろごろしている姿に腹が立ったり、将来どうなるのだろう と、とても不安になって心配してしまいますね。約束を守らない態度に対しても、いやな気持ちになってしまうものですね。

 しかしながら、その約束はどのようにして決めたものなのでしょうか。息子さんは約束事について納得してあったのでしょうか。もし、一方的な押しつけになっているようなことがあれば、最初から意識にないこともよくあることです。ゆっくりと実現可能な 約束事を一つずつ決めていくのはどうでしょうか。

 またルーズな性格で約束事を守らないと考えてあるようですが、ルーズさは、視点を変えてみれば、人を受容したり、人を許せる大らかな良さもあるかもしれません。そのことを認めてやるチャンスを逃さないようにしていくと、ルーズ=ダメというイメージから抜け出し、息子さんも自信がついて自発的に行動に移せるようになるかもしれません。

 「うざい」という言葉も、親にとっては悲しいものですが、何度も同じ言葉で問いつめられると、若者は面倒になって口癖のようによく使う言葉です。あまりしつこく関わらないで、どうしようもない今の自分の思いを表現しているのだと思い変えてみませんか。

  中3という時期は進路等、自己決定を迫られ、子ども自身も、とても不安定な時期です。その思いを共感しながら見守ることも必要です。ただ、親にとっては黙って見守るのはとても辛い時もあります。そのような時、家事など日常生活行動を共にするなど体を動かす体験は生活のリズムを作るのに効果的ですし、息子さんの良いところを見いだす機会にもなるのではないでしょうか。人は他人に認められると次に進むエネルギーがわくものです。


 
中1年になりましたが、お小遣いはどのくらいが適当でしょうか。

 お小遣いの額については、確かに親がしつけの面で迷うところですよね。しかし、これは何年生だからいくらと決まったものはありません。家庭の経済事情や、地域の状態によっても異なってきます。また小遣いをどこからどこまでとみるかによっても変わってきます。学用品・おやつや雑誌などのどの範囲までにするかということは、家庭の事情や、子どもの性格によって決められるものです。具体的には子どもとよく話し合い、金額を決めることがよいと思われます。

 お小遣いの与え方は、おやつがわりの毎日制から、週休制、月給制などが考えられますが、中学生ですから、月給制でもよいと思われます。小遣い帳をつけるようにして、使い途や子どもの行動を親が知っておくことは大切なことだと思います。

 単なるお駄賃や、報償として与えるのではなく、「お金のありがたさを知るために健全な生活設計をしていく能力・態度を育てる」という目的を明確にして与えることが大切です。その為にも、計画を立てて買い物をする。本当に欲しい物やしたい事等高額な支出の場合は小遣いを貯金していく等の約束事を親子で話し合って決めておくとよいと思います。労働と金銭の関連、家計の切り盛りについての話など心を通わした会話から、親子の信頼ときずなを築く事ができ、筋の通った使い方を自然に身につける事ができるようになるのではないでしょうか。


 
高1の娘です。同じ学校の3年生の先輩と交際しているのですが、最近帰りが遅くて心配しています。親としてどう対処したらよいでしょうか。

 帰宅時間が遅いと親はとても心配になりますよね。 娘さんは2つちがいの先輩と交際されているのですね。同じ地域、同じ学校ということで文化も価値観も共有できて、きっと張りのある楽しい毎日でしょう。相手は高校3年生で、将来のことなどおしゃべりは果てしなく続くでしょう。

 親としては心配ですが、見守ることが大切です。母親はよき相談相手でもあります。今の時期の心や体、帰宅時間についても率直に話し合う機会を作りながら、娘さんの様子を見守り信じてみてはどうでしょうか。


 
高2息子がうつ症状になり、昨年より学校がおもしろくないと言い出し、不登校気味で心配しています。
 学校がおもしろくないと言って不登校気味になったり、うつ症状になったりしている息子さんを見るのは、親としてつらいものですね。つい「しっかりしなさい」と励ましたり、「何考えているの?」と非難めいたことを言ってしまったりしていませんか? 子どもに以前と同じ状態に早く戻るようにという親の願いを押しつけ、今の状態を認めていないことになり、ますます子どもは不安定になり自分に自信を無くしてしまいます。

 まず、とにかくこういう状態の息子の現実を家族が丸ごと受け入れ、「長い人生そんな時もあるさ」という共通土俵に立つ事が大切です。そして少し気を楽にしてあげ、学校以外の話題や遊びにも目をむけ話をするよう心がけましょう。何気ない話ができるようになると、学校の何がおもしろくなかったのか等少し言えるようになるかもしれません。その時は、否定せずに受け止めてあげましょう。

 次にうつ症状が認められる場合は、軽ければ軽いほど回復も早いですので、精神科(メンタルクリニックなど)受診されることをお勧めします。病院へ行くのは決して恥ずかしいことではありません。うつは治る病気です。あまり周囲が心配するとそれがまた本人の心の負担になります。薬を処方してもらい、悲観的な考え方から脱却できるようになったら、前向きな考え方もできるようになりますので、それを待つ事も必要になると思います。

 
 
中学1年生娘ですが、親の言う事を全く聞きません。反抗期なのでしょうか。どう対処していけばいいのか困っています。

 母親の気持ちがなかなか娘さんに伝わらずに悲しい思いをしていらっしゃるのですね。けれど反抗期だからといって、ある日突然親の言うことを聞かなくなるというわけではないと思います。これまでどんな娘さんだったのでしょうか。

 中学1年生ともなれば、精神的な自立を求めるために、意見の食いちがいは当然起こってくることでしょう。自分の意見を持っているのは大いに喜ぶべきことです。大いに議論し合ってください。その際、親は子どもの意見を受け入れる心の寛さを持つことも大事になってきます。ややもすると、親の一方的な考えを押しつけがちになるので、子どもは反発したり、親のいうことには、ことごとく従わなかったりするのです。折り合いをどうつけるかで、子どもとの距離が縮まるか、反対に離れてしまうことになるか、変わってきます。

 日頃から親子の対話を多くし、親は子どもの、子どもは親の物の見方や考え方、価値観などを知ったり、共有したりすることが大切なことではないでしょうか。


 
中学生2年生の娘が今まで仲の良かった友達のグループからはずされ、心配しています。

 娘さんは仲良しのグループからはずされたことを話されたようですね。仲間をはずされ、一人ぼっちで寂しい思いをしているのではないかと心配な事でしょう。どうにかしてあげなくてはと焦ってしまいますね。

 そんな時親は、子どものきつかったり、つらかったりする思いをしっかりと聞いてあげるだけでとても大きな力になれると思います。話を聞く中で、ちょっとした言葉や誤解の原因になることに気づいた場合は、誠意を持って友達に接していく事への示唆も必要なことかもしれません。 

 しかし、中学2年生の時期は個々の興味や目標も違ってくる時期です。違った仲間ができるかもしれません。ゆっくりと見守ってみませんか。


 
中学3年生娘が隠れてタバコを吸っているようです。問いただすと「吸っていない」 というのですが、対処に困っています。

 隠れて吸ったり、吸っていないと否定したりするなど正直でないことや、「タバコを吸うのは非行の始まり」ではないかということをご心配されているんですね。

 気になるのは、喫煙のきっかけが何だったのか。単なる好奇心なのか、現実からの逃避なのか、何か心のすき間をうめるためだったのか。

 いずれにしても娘さんも、タバコを吸うのは良くないことだと分かっておられるのではないでしょうか。日頃から家事など一緒にする中で、対話を多くし、娘さんの心の安定を図ることが大切ではないでしょうか。

 ご両親はタバコを吸われますか。もし吸っておられるならば、娘さんの禁煙教育を機に、この際一緒にやめるよう努力なさるといいですね。タバコは肺や心臓に悪影響を及ぼしますし、娘さんが将来結婚して妊娠なさった場合、胎児に影響がでてきます。タバコの害についてのビデオや書籍もあります。ご両親が愛情をもって話すことが大切ではないでしょうか。


 
中学1年生息子が友達と万引きをしました。ひどく叱りましたが、反省している様子がうかがえません。
 親としての苦しいお気持ちがよく分かります。
 子どもが間違ったことを言ったり、したりした時、子どもの年齢や性格に合わせた言葉・方法でしつけることが親の愛情だと思います。子どもはゲーム感覚で深く考えずにやってしまうこともあります。自分のしたことを「万引きは犯罪」としっかり見つめさせることが真の反省にもつながります。
 親が感情的にならずに、気持ちを落ち着けて次の方法をとられてください。

 第一に「万引きは悪いことだ。」という事実を正しく把握させることです。
 問題をあいまいにせず、警察と学校に相談に行き、その指導を受けることが子どもにとって大切です。その後店に行き、親子で謝り、代金を支払い、親が「親の責任」として謝る姿を見せましょう。

 第二に人格を否定せずに、親が子どもを信頼している気持ちを伝えることです。
「おまえはやると思った」「またおまえか」「またやるんじゃないか」等といった決めつけ(レッテル貼り)をしないことが大切です。

 第三に原因、背景を探ってみることです。親が日頃、子どもの欲求を強く抑え込みをしてはいないか。友達関係に問題はないか再点検してみましょう。