平成30年1月26日
みなさん、お子さんをほめていますか?
ほめる教育研究所 ほめる達人 竹下幸喜です。
前回の子育てWEBでは、「事実を伝える」ということをお伝えしましたが、今回はそれを更に深める方法をお伝えしたいと思います。
どういう方法かといえば、事実を伝えた後に、
「その事実が誰のどんな役に立っているか」
を伝えていただきたいと思います。
「人はただほめられたいわけではありません。
自分が誰かの役に立っていることを知りたい。誰かから感謝されたい。」
そういう思いが強いものです。
私の娘の話をします。
私の娘は小学校、中学校、高校と9年間、陸上競技をやってきました。
暑い日も、寒い日も、手を抜かないで毎日練習を頑張ってやってきたのです。
そして高校3年の陸上生活最後の高校総体、彼女は200mに出場しました。
彼女の目標は6位以内に入って北九州大会に出場することでした。
ところが結果は8位。決勝で最下位。目標を達成できませんでした。
その時、彼女は、泣いて、泣いて、自分を責めて、責めて・・・
あんなに練習したのに・・・。あんなにがんばったのに・・・。
出場した意味がなかった。自分はだめだ。学校にも行きたくない。
と自分を責めまくりました。
その彼女に、妻が
「そんなことないよ、ダメじゃないよ。決勝残ったこともすごいことだよ。」
と声をかけましたが、彼女は全然聞き入れませんでした。
翌日、彼女は渋々学校には行きましたが、表情は暗いままでした。
その日の夕方に1通のハガキが届きました。
それは、おばあちゃんからのハガキ。義母さんからのハガキでした。
そのハガキにはこう書かれていました。
「Nちゃん、昨日の試合は本当に感動しました。
Nちゃんが暑い中、頑張っている姿を見て涙が出たよ。
おばあちゃんは元気をもらいました。
おじいちゃんが1年前に亡くなって、私は早くおじいちゃんの所に行きたいと思っていた。
だけど、Nちゃんが一生懸命に走る姿を見て、
これじゃいけない、私もこの命、一生懸命に生きよう。
Nちゃんのウェディング姿を見るまで一生懸命に生きよう。
と生きる元気が出たよ。ありがとね。」
というものでした。
そのハガキを学校から帰って来た娘が読んで、こう言いました。
「・・・走ってよかった。頑張ってよかった。」
「人はただほめられたいわけではない。
自分が誰かの役に立っているということを知りたい。誰かから感謝されたい。」
この話には続きがあって、その1週間後、
妻が、その時のお礼を言うために、実家のお義母さんを訪ねました。
「お母さん、ありがとね。
あの時、娘は本当に落ち込んで、試合に出た意味がなかった。
学校にも行きたくない。と悲しんでいたんだよ。
だけど、お母さんのハガキを読んで、『走ってよかった』って笑顔になって、
今は元気に学校に行っているよ。ありがとね。」
と伝えたら、今度はおばあちゃんが号泣です。
「私は84歳、誰の役にも立ってないと思っていた。
本当に孫の走りに感動した。ハガキを書かずには居られなかった。
私が書いたそのハガキで、落ち込んでいた孫が元気になってくれた。
笑顔になってくれた。私もまだ誰かの役に立てるんだね。」
と号泣したそうです。
「人はただほめられたいわけではない。
自分が誰かの役に立っているということを知りたい。誰かから感謝されたい。」
「○○してくれてありがとう!○○さんのおかげで本当に助かったよ。」
その事実が誰のどんな役に立っているかを、心を込めて伝えてくださいね。
その言葉は必ず、相手の心にしみ込んでいきます。