アンダーマイニング効果とは?

平成27年12月16日

なかなか勉強に身が入らない我が子を見てイライラ…。
「テストで100点とったらゲーム買ってあげるから!」そんなセリフを口にしたことはありませんか?

もしかしたら、子どもはやる気を見せるかもしれません。でもそれは一時的なもの。気づけばまた、今まで以上に怠けた姿を見せる我が子に、頭を抱えることはなかったでしょうか?

心理学の用語に「アンダーマイニング効果」という言葉があります。もともと内発的動機づけ(自分の内側からモチベーションが生まれている)だったものが、ご褒美があることで、外発的動機づけ(自分の外側にモチベーションの発生源がある)になってしまう、というものです。

例えば、子どもがお母さんのお手伝いをしたくて始めたのに、そこに50円というご褒美を与え続けてしまうと、50円がほしいからお手伝いをするようになってしまう、もっと言うと、50円がもらえなければお手伝いをしない、ということになってしまうわけです。そうすると、その子の「お手伝いをしたい」という純粋な思いは、いつの間にか消えてしまいます。

せっかく内発的動機づけで始まったのであれば、それ自体をじっくりと育てていくことを大切にしたいですね。冒頭のテストの例でも、自分で勉強をしようという思いはささやかながらあるかもしれないのに、それを見逃してご褒美をちらつかせてしまうと、その芽を摘んでしまうことにもなりかねません。子どもの主体性が垣間見えた一瞬に「がんばっているね」と寄り添っていくことのできる距離感で見守り続けることが、アンダーマイニング効果に陥ることなく、その子の内発的動機づけを育んでいく秘訣です。

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