平成20年7月2日
5・6年生の担任をしていた時の子どもに、何十年ぶりかで再会しました。
開口一番に「今の私があるのは、先生のお陰です。先生は、あなたはみがけば必ず光る人ですと、毎日のように言ってくれました。私は、中学・高校・大学とその言葉通りに自分をみがきました。」と、話してくれました。
教え子のこころに、私の言葉が生き続けたのです。
現在、子どものこころを育むということをよく耳にします。
こころというものを、どこから持ってきてそれを育てるかのようですが、そうではないのです。
よいこと、望ましいことをくりかえし、くりかえし刷り込んでいきます。そして、いつの間にか根づいて習慣化され、にじみ出るように生まれてくるのがこころです。
そこで、日頃、親として子どもにどのようなことを言っているか、また、どのように関っているかを意識してみてはどうでしょうか。
さらに、親の言っていることを子どもが、どう感じているかも聞いてみることです。
具体例として、「私の親は、私の言うことをわかろうとせず、自分の言いたいことだけを言う。」「私の親は、言いたいことがあるけれどだまって言わない。」「私の親は、言いたいことはきちんと言う。そして私の言っていることも、よく聞いてくれる。」など…。
親は、子どものおもいがわかってくると、それまで理解できなかった気持ちや行動が見えてきます。
子どものこころに、よりよい言葉を根づかせるためには、日頃からの親子のコミュニケーションをとおしての信頼関係が基盤です。
子どもは、日々、成長していきます。
その発達過程にそいながら、多様な悩みや不安にぶつかります。
それらの気持ちを受容し、共感しながら、子どものこころに生きて働く言葉をなげかけられる親にならなければなりません。
そのためにも、親自身が自らを育てることを忘れてはなりません。
「子育ては、親育ち」と言われているゆえんです。