平成21年6月10日
今回は、親としてのスタンスについてです。
お父さんやお母さん達が子ども達と一緒に遊んで一緒に喜んでいらっしゃる姿を見ると、こちらまで楽しく感じることがよくあります。でも、もっとよく見ていると、人によって子どもに対するスタンスが違うことに気づかされます。
さて、親が子どもの気持ちを汲み取る時に「子どもの気持ちに寄り添う」「子どもの目線で」という言葉をよく聞きます。私が、スタンスが違うと思ったのは、これらの言葉の解釈の違いから生じたものでしょう。つまり、『子どもの気持ちに寄り添う』や『子どもの目線で』と『子どもと同じレベルであること』を取り違えているかもしれない、ということです。
私たち大人は、社会の中で生きていくために社会の秩序や他人への思いやりの必要性を知っています。でも子ども達は今から社会の秩序を知っていくのです。社会の秩序を守るためには、時には我慢しなければいけないこともたくさんあります。子どもとしては自分の思うようにしたいものです。でも、それを我慢し、現実を受け入れる時に、子ども達は、悔しかったり、がっかりしたり、悲しく思うことがあるでしょう。その子どもの気持ちに『寄り添ってあげる』ことが大切です。一緒に悲しんだり、悔しがったり、またはそっと見守ってあげることが大切です。『子どもと同じレベル』になって、自分の思うようにしたいという子どものわがままな気持ちに寄り添って、思う通りにしてあげてはいけません。
また、同じようなことで「子どもの意思を尊重して」という言葉もあります。子ども達は何か決断を下さないといけない時に、大人と同じように選択肢のメリット・デメリットを比較して決断を下すことができません。どうしてもデメリットの方が気になって、デメリットを克服してがんばろうという気にまではならないようです。デメリットを隠しておくのは少し気がとがめますが、デメリットは言わないか、さもなければできるだけ控えめに示して、メリットを比較して決断を下せるようにしてあげることが大切です。