平成29年3月6日
近年、子どもの体力が低下し、大きな問題として取り上げられています。文部科学省が実施している「体力・運動能力調査」によると、子どもの体力・運動能力は、昭和60年ごろから現在まで低下傾向が続いています。
子どもたちの体験活動の様子を見ていると、体力が伴っていないがために、思ったように活動できていない場面が増えています。
体力は、人間のあらゆる活動の源であり、健康な生活を営む上でも、また物事に取り組む意欲や気力といった精神面の充実にも深く関わっており、人間の健全な発達・成長を支え、より豊かで充実した生活を送る上で大変重要なものです。
小学生の時は、短距離走だけでなく、サッカー、ドッチボール、水泳などいろいろなスポーツに挑戦することが大切です。私は、北九州市の総合型地域スポーツクラブが実施しているジュニアスポーツ体験教室に、初回から現在まで指導に関わらせて頂いています。このジュニアスポーツ体験教室の良いところは、いろいろな小学校から子ども達が集まっているということ、低学年の間は走る・跳ぶ・投げるを基礎に運動遊びを中心とした楽しくスポーツに親しめるプログラムになっていること、そして何よりも大学生のお兄ちゃん・お姉ちゃんたちが一緒になって遊んでくれることです。スポーツを通して「がんばること」、「ルールを守ること」、「友達をつくること」「協力すること」を学び、将来運動好きな子どもを育てたいと考えています。
子どもの時期に活発な身体活動を行うことは、成長・発達に必要な体力を高めることはもとより、運動・スポーツに親しむ身体的能力の基礎を養い、病気から身体を守る体力を強化し、より健康な状態をつくっていくことにつながります。
保護者のみなさんはわが子の成長について、つい他の子どもと比べ、自分の子どもの進度が遅いとあせってしまいがちです。子どもにはそれぞれ個人差があります。家庭においては、子どもの個性をじっくり見守りながら、親子が一緒に活動する時間や何かに夢中になれる場を作ること、うまくいかないときにちょっとしたアドバイスを与えること、「だいじょうぶ、できるよ」というメッセージを送ることが重要だと思います。
これらのことから、子どもの時期から運動の習慣づけは、小学校生活だけではなく家庭生活においても楽しく運動をさせることが重要であり、地域でも協力し合い様々な運動種目・遊びを行わせる必要があると考えられます。子どもが運動を「面白い」と感じれば、自然と子どもは運動を続けます。まずは興味を持たせること、そのためには実際に「やってみたい」と思わせる工夫が必要です。子どもの頃からしっかりと運動習慣を身につけることにより、小・中・高等学校、成人と年齢を重ねても元気で健康的な生活を送ることができます。