令和3年12月16日
私たちの生活とお金
私たちの生活は、お金と深くかかわって成り立っています。
日常生活を営むお金に加えて、子どもの誕生・進学・就職などの人生の節目には比較的大きなお金が必要となります。こうしたお金をどのように得て、どのように使うかは、個人の生活の安定や生き方だけでなく、社会の動きとも深くかかわっています。
このため、子どもたちが「物を大切にする、勤労に感謝する、勤勉に働き人の役に立つ」ことなどを学ぶ中で、お金に対する正しい知識や態度を身に付けることは大変重要であると考えられます。このような過程において子どもたちは人格の基礎を形成していくことになります。
「お金の教育」は、いつから? どのように?
幼い子どもにもお金との接点があります。幼児期には、お金そのものの価値や大切さについてというよりも、持っている物や買った物を大切にすること、食べ物をきれいに残さないで食べることなど、物や食べ物を大切にする気持ちや態度を身に付けていくことから始めるとよいでしょう。
そうして、小学生になったら、一緒に買い物に行くなどの体験を通じて、物や食べ物は、ただでは手に入らないこと、お金が必要なこと、そのお金はどのようにして得たのか、限りがあること、貯蓄も必要なことなどに気付かせていきましょう。また、おこづかいを通じて決められた金額の中でやりくりする経験を通じて、計画力・自制力・感謝の心などをはぐくんでいきましょう。
ご家庭の実情に応じて、わかる範囲からわかりやすく教えていくことが大切でしょう。
「お金の教育」始めましょう!
日本の家庭では「子どもの前でお金の話はしない」、学校でも「お金のことを教えるのはタブー」という考え方が長く続いてきました。しかし、お金の教育は、お金を通じて自分の生活のこと、社会のこと、将来のことをしっかり考える態度をはぐくむことにその目的があります。
「2020年 子どものお小遣い・金融教育に関する調査アンケート」(「イ-・ラーニング研究所調べ」)
【 調査期間 】 2020年10月8日~11月5日
【 調査地域 】 全国
【 調査対象 】 20~50代の子どものいる保護者 男女216人
によると、「子どもの金融教育を行っていますか」という問いに、77.8%が「行っていない」、一方で「子どもの金融教育はいつから必要だと思いますか」という問いには、69.4%が「小学校低学年以下から」と回答しました。
この調査アンケートの結果から、保護者は早い段階からお金の教育(「金融教育」)を行う必要があると考えていますが、実際には行っていない保護者が多いことがわかります。
それでは、どのように行っていったらよいのか、この講座でお話を進めていきたいと思います。