①体験活動の必要性

平成29年1月16日

「自然体験や生活体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高い」

国立青少年教育振興機構が日本、米国、中国、韓国の高校生を対象として実施した調査で、日本の高校生は、米国、中国、韓国の高校生に比べて自己肯定感が低い傾向がみられました。
例:「自分はダメな人間だと思うことがある」日本72.5%、中国56.4%、米国45.1%、韓国35.2%
(出典 高校生の生活と意識に関する調査-日本・米国・中国・韓国の比較-(平成27年度調査)より)

自己肯定感とはなんでしょう?自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。(出典 実用日本語表現辞典)自己肯定感が高い子どもとは、「自分が価値のある存在である」と感じていたり、自分に自信がある子どもだといえます。その特徴としては、様々な物事に取り組む意欲が高いことがあげられます。学習や労働といった具体的な対象への意欲の減退だけでなく、成長の糧となる様々な試行錯誤に取り組もうとする意欲そのものが減退している背景には、青少年の自己肯定感の低さなどがみられることが指摘されています。(出典 中央教育審議会 次代を担う自立した青少年の育成に向けて(答申)平成19年)

ところで、あなたのお子さんは「自分の身の周りのことを自分ですること」ができますか?
なんでも先回りして「子どもが困らないように」とやってあげていませんか?これでは、自分で解決する力は育ちません。このことは一見優しさのようにも見えますが、実は子どもにとって「自分で出来ないこと」が自己肯定感を低くしているのではないかと考えています。

では、どうしたら自己肯定感を高めることができるのでしょうか?国立青少年教育振興機構が小学生、中学生、高校生を対象として実施した自己肯定感に関する調査では、「自然体験や生活体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高い」ことが明らかにされています。

「キャンプ」には「Learning by Doing(体験を通じて学ぶ)」という特性があります。
2020年から実施の小学校学習指導要領、2021年から実施の中学校学習指導要領には、討論や発表を通じて課題を解決する「アクティブ・ラーニング」の導入が検討されていますが、この手法こそ「キャンプ」が大切にしてきたものです。

キャンプは自然との関わり方を学ぶ場でもあります。例えば登山の途中で雨に合い、ずぶ濡れになったことがある子どもは、次の年のキャンプには必ずしっかりしたカッパを準備して来ます。しかし、次の年は天候も良く雨具がいらない場合もあります。長時間山の中を歩く場合は出来るだけ荷物を軽くした方が身体への負担が減ります。そうなると天候を見て持って行くものを選べるようになります。正に体験学習なのです。特に失敗から学ぶことの方が大きいような気がします。それを自分の力で乗り越えることで達成感や自信となり、自己肯定感が高まるのだと思います。子どもの可能性は偉大です。大人が信じて様々なことを体験できる環境を作ってあげることが大切なのではないでしょうか。少しだけ、背中を押してあげれば良いのです。子どもは私たち大人が思っている以上に大きな可能性を秘めていますよ!

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