ふくおか子育てパーク

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2007年02月26日

「早咲き」

今回でいよいよ最終回。なかなか思ったようには筆が進みませんでした(反省)。
仕事や生活の合間に、ちょこちょこメモってはいたんですが・・・。
さて、最後なので、最近私が感じていることを書くことにしますね。

ここのところ、あまりの暖冬で、菜の花や桜が早咲きしています。
あんなにきれいな花々が、季節を忘れて咲き乱れています。
変ですよね〜。なんかおかしいですよね。
この早咲き、いや狂い咲き、今の子ども達と同じじゃないかな。
本来、生き物はゆっくりゆっくり順序を踏んで成長するもの。
どこかでそのスピードが狂うと、生物は種が滅びるか違う種に進化するプロセスに突入するそうです。

はやくおとなのようになってね。おとながいちばん。
子どもだっておとなみたいになりたいのよ。(ウソ!)

そうやって、どんどん「子どもの時間」「子どもの空間」が奪われている。
おとなの価値観にまぎれて、子どもが育つ権利がどんどん見えにくくなってる。

その結果が、この「美しい国」の現実。
ニート、ひきこもり、いじめ、自殺、虐待、暴力。

早く咲きすぎた花は、はやく老いて枯れていきます。
その責任は誰が取るんでしょう?
誰が地球を狂わせた?誰が過剰な栄養を与えた?
その問いに、我々おとなは親として、答えを出さなければいけないと思います。

私たちが老いて死んでも、子どもそのまた子ども・・・命はずっと続いていきます。
その子たちの未来を守るために、まだまだ、やれることはあるはずです。

だから、ちょっとだけでもいい。
視野をひろげて、あたりまえに起こっている生活を、見直して欲しいと思います。
実は、それは、スタンダートじゃなかったりしますから。
たとえば、こんなこと。

アメリカの心理行動学の第一人者で、有名なダニエル・ゴールマン博士が最近「SQ(社会的知性)」という本を出しました。以前、EQ(こころの知能指数)を提唱して話題を呼んだ人です。最近その新刊を読んだのですが、ショッキングな事例がいくつも出ていました。
その中の冒頭に「フランスの研究者が2004年に世界72カ国で25億人を対象にした調査した結果によると、一日のテレビの視聴時間は平均で3時間39分だった。視聴時間が最も長かったのは日本で、4時間25分。小差でアメリカが2位。」と記してありました。

世界一淋しい国。こんな事実に私達が気づいてない事実。に愕然とする。

子どもが子どもの力を育てることができるように、まだまだ、大人の本当の力が必要です。
人の繋がりが必要です。自然が必要です。環境が必要です。
ひとりでも多くの人が、そのことに気づいてくれたら、もっとみんな幸せになれるんじゃないかな、少なくとも今よりは。そんな気がします。

(地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会 JOY)

投稿者 Kosodate : 09:43 | コメント (6)

「ちいさいおうち」

4話ちいさいおうち.JPG うわ〜早いもので、もう2月末です。
わが家も相変わらずドタバタです。最近は、家事〜仕事〜育児の繰り返しでちょっと煮詰まり気味。煮詰まる時期って、あるんですよね、必ず。私はシングルマザーなので、ちょっと気を抜こうものなら、全部おおぅ!と生活がのしかかってくるから、適当にあしらわないといけない。で、ふと思いついて、子ども達とインドカレー大会をしたんですが、食べながら、ちょっとアホ加減さと辛さに涙が出ました。たぶん子ども達も「ああ、やっぱりおかーさんだ」と思ったことでしょう。でも、息子は「はは。元気出るね〜」と言ってくれました。

そんな息子のことで忘れられない本があります。
「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン著・石井桃子訳)です。

うちの息子は、小さい頃はいろいろとあって、絵本をじっと見ることのできるようになるまで、1年くらいかかりました。「じっと見る」(「注視」っていうんですが)ができなかったんです。すごいスピードでベラベラめくって破るだけの読み方でした。読み聞かせなんかとんでもないって感じでした。いい加減、本を読むのに絶望しかけていた頃、本屋へ連れて行ったときのこと。ふと、息子が立ち止まって見てるんです。青い表紙を。
「このタイミングだ!」と私の心の中で何かが弾けました。
「これ、見る?」
「う。」(うん、のつもり)
即買いです。でも、この本、3才でも難しい本だったんですけど、えいや!と買いました。
息子2才半前、娘7か月の時です。

家に帰って、寝る前に読むことにしました。
皆さんもご存知だと思いますが、この本は実は難しい。奥が深い本です。文章数も多い。
どうやって息子が気に入るように読もう?と考えた末、意訳をすることにしました。
話をはしょって、わかりやすく、読むわけです。夢中で読みました。よく覚えてません。
とにかく息子がじっと見てくれて、私の言葉のいくらかでも、耳に届いてくれれば・・・。

終わりまで、息子はじっと見ていました。ひきこまれるように。
その顔を覗くと、まるで魔法にでもかかったよう。本を取り上げ、また読もうとしました。
「もう1回?もう1回ね?うん、わかった」
息子はおとなしく本を見あげました。
ゆっくりゆっくり読みながら、涙が枕に伝わり声が震えました。

その日からくり返しくり返し、まるでバイブルのように息子は大切に「ちいさなおうち」を
めくるようになりました。
そして、いろいろな絵本を私は2人の子ども達に読み聞かせる楽しみを経験しました。
時には、いっしょに歌ったり、泣いたり。寝る前のおまじない。何年もそれは続きました。

そのおかげで息子は言葉を身に付け、本を読む楽しみを見出したようです。
今やすっかり本好き。どこに行っても本があるといちばんに手に取ります。でも、今でも息子の机には「ちいさなおうち」が飾ってあるんですよ。宝物なんだそう。私にとっても同じかな。
そしていまだに、子ども達から読み聞かせのリクエストがあります。
このあいだは「手ぶくろを買いに」(新美南吉著)でした。
絵本は私の心の栄養でもあるみたいです。

(地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会 JOY)

投稿者 Kosodate : 09:41 | コメント (2)

2007年02月13日

「イチゴちゃん」

JOY3話イチゴちゃん.JPG そろそろ店頭で可愛らしい苺を目にするようになりました。
苺ってどうしてあんなに愛らしいんでしょうね。
我が家の子ども達がまだ小さな頃は、おやつに苺を出そうものなら、ひとつふたつみっつ・・・とあっという間になくなりました。小さな口や指がべとべとになってそりゃ〜もうすごい状態。
でも子ども達の顔はとっても幸せそう。

お腹がふくれたら「おか〜しゃん」と言いながら私のところへ来る娘を抱きしめると、お口も髪もほっぺも手も・・・全身から苺の甘い匂い。うわー食べ物の匂いをさせてくっついてくる生き物ってなんて面白いんだろ!そしてこんな甘い柔らかいものに包まれる暮らしってなんて幸せなんだろう!春の苺の時期は、私の至福の時でもあったのです。

だいたい子どもって何であんなにおっぱいとか食べ物とかお陽さまとか汗とか、いろんな匂いがするんでしょうね。まるで匂いのかたまりです。大人の世界では絶対に存在しない不思議な存在。人間の嗅覚は動物的な本能を刺激すると言うけど、まさに子どもとの暮らしは、そういう発見の連続です。暮らしの匂いは、そのまま、思い出に直結していきます。

さて、今年も我が家の食卓に苺はのります。小学生ふたりとも、「デザートは苺だよ〜」と言うとめちゃくちゃ喜びます。その顔を見ていると、なんだかほっとするのは・・・私だけじゃないですよね。昔、手帳に書きとめていたこんな短歌が出てきたので、ちょっと披露してみますね。

抱きしめる吾子の肌より苺の香 我が心にも春が来にけり

(地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会 JOY)

投稿者 Kosodate : 14:36 | コメント (3)

2007年02月07日

「豆まき2007」

JOY2話.JPG皆さんは、2月3日の節分はどう過ごしましたか?
今年の節分は、子ども達と川端の櫛田神社に行ってきました。
その昔、私が祖母と母に手を引かれ、よく足を運んでいた場所です。
節分の日は、厄除けに大きなお多福の口をくぐるのが楽しみでした。
今年は、少し体調がすぐれない事もあり、元気になりますように!と厄除けを願いました。

お櫛田さまは、人の波。老若男女みんな無病息災を祈ってひしめいていました。
産まれたばかりの赤ちゃんを抱っこした若夫婦。
しっかりと手をとりあい歩んでいく老夫婦。
小さな娘を肩車した父親。
みんな、神様に一生懸命手を合わせていました。
私達親子3人も、手を合わせました。
頭に浮かぶことは、ほんとうに普通の、当たり前のこと。
「元気で、ささやかに、幸せに暮らせますように」

子どもを産んでから、祈ることが多くなった気がします。
子どもが病気になったとき。
子どもが幼稚園や学校に上がるとき。
私の力ではどうしようもないことが、たくさんある。
だから、良い結果を願って、祈らずにはいられなくなる。
そうやって自然の摂理を昔の人は身に付けていったんではなかろうか。

さて、うちの子どもたちは、何を祈ったのか、ヒミツだそうです。
さすがに大きくなってくると、ヒミツが増えていきますが、それもまた成長の証。
でも、おみくじで大吉が出て大喜びするところがまだ可愛いかな。
家路につく途中、今年の「鬼」は誰がやるのかで少々議論になりました。
「お母さんが、ぴったりやん。怒るとすごいもん!」などど言われ、くそ〜。(鋭い指摘)
でも結局、鬼不在のまま、一致団結で、ベランダに向かって「鬼は、外〜」と豆投げ。
子どもといっしょだと、こういうイベントが待ち遠しくなるのは、なぜでしょうねえ。

(地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会 JOY)

投稿者 Kosodate : 14:52 | コメント (5)

2007年02月04日

「笑いと涙、子育ては大ばくち!」

早いもので、いつの間にか今年で子育て11年目に突入です。
ゆいパパさんからバトンタッチ、2月担当のJOYと申します。よろしくお願いします。
さて、コラムは自分の人生の中心になってしまった子育てにまつわる話をしようかな〜と思います。
我が家の小4息子&小3娘の育児の話から始めましょう。

いきなり懺悔です。
私は子どもを生むまで、子ども嫌いでした。扱い方わからないし、うるさーい。と思ってました。
妊娠4ヶ月で激務をやめて専業主婦になって、せっせと妊娠&子育て本を何十冊も女性センターに通っては読み漁り、理想の子ども&母親像を夢みました。この子はやさしくて物分りが良くて元気で可愛くてスレンダーで・・・そして、うちは子どもに向かってニコニコ微笑んで、今時の女性像を目指してかっこいい子育てをやるんだ〜、それをダンナさんはやさしく支えてくれて家事もこなしてくれて・・・みたいな感じでしたでしょうかねえ。そして、夏の終わり、何度も何度も頭の中で予習した出産がヘロヘロになってどーでもいいから早く終われ!状態で済み「うぎゃああ〜」という産声を息子が上げた瞬間から、子育てという私の人生の「大ばくち」は始まりました。

産後の寝不足となれない赤ん坊の世話。どんどん抜けていく自分の毛。余裕もへったくれもない母の責任の重さ。怖かったです。産む前は誰もこんな現状教えてくれんかったやん。また懺悔です。実家から1ヶ月して戻ってきた日の夜、頭を抱えて2時間ほどさめざめと泣きました。こんな選択して〜あああどうすんの私!(オダギリ・ジョー風)

その後も、ほんとにいろんなことが展開していきました。
息子は見てくれは可愛いベイビーでしたが、他の子と少しだけ違ってました。何でこんなに動き回るんだろ〜なんで目が合いにくいんだろ〜毎日くたくたになっていました。後に軽度発達障害のボーダーあたりだったことが判明したんですけどね。そんな1歳児を抱えて第2子である娘が生まれました。実家に帰れずの年子の育児。40度の熱がたびたび出る乳腺炎。1日3〜4時間しか続けて眠れない1年間・・・。あまりにコミュニケーションのとれない息子に切れて物を投げつけたこともありました。他の人たちと比べて、夜中に落ち込んで泣きながら娘におっぱいやりました。

そんな時、ふと、出会ったのが今活動している会の人たち。育児に正解はない。悩んであたり前。その頃の私は頭の中じゃわかっているつもりでも、年子の育児に疲れ果てて、息子の行動に周囲が誰も理解を示さない中では、それを実感できるどころではありませんでした。
でも、それから、未熟な私の子育ては、からからと音を立てて、廻り始めました。

不思議な出会い。いろんな人に支えられて、子どもと真剣に向き合い初めて実感できたのは、
子育ては、思いのとおりにいかない、どう転ぶかわからない「大ばくち」!だから素敵なんだ。
だから悩んで苦労して、くしゃくしゃに喜んで笑う。それが生きてるってこと。生きるってこと。

何が起こるかわからない体験ってすごい!自分以外の人と人生を分かち合うってすごい!そうやって、この小さなひとたちの未来をわくわくしながら見届けられる幸せをかみしめることが、親になるということ。だから遠い先のことで気を揉むより、自分の事を悶々と考えるより、寝て、食べて、遊んで、笑って、一日一日を子どもと丁寧に使い切ることが絶対幸せな人生を送れると思う。少なくともこの11年間、私はそう学びました。理想の子どもも家庭も、全部軌道修正したけど、生きてて幸せかな?って問われると幸せだよ、って答えれると思う。だって・・・「大ばくち」を打つんですもの。「大ばくち」はまだまだ、一生続くんです!(笑)。

(地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会 JOY)

投稿者 Kosodate : 09:05 | コメント (3)

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